中国で警察に拘束されたらどうなる?拘束後の一般的な流れ

中国で日本人が警察に捕まる理由で多いのが、多い順に「買春」「違法風俗(陪酒小姐のいるKTVも含む)」「賭博」「喧嘩」「不法就労/不法滞在」「横領」「違法薬物使用」などがあります。

これらを警察が発見すると、まずは身柄を拘束します。

 

ここでは身柄を拘束された後、どういう流れになるかを解説します。

 

最も多いKTVの陪酒小姐を自宅やホテルに連れ込み買春を行った場合を例に説明します

 

1、ホテル、小区保安、居民委員会、社区保安、小区警務室、隣人からの通報により発覚し、警官が現場にて被疑者を捕まえ派出所に移送します。これが「拘束」になります。

 

2、拘束された段階では犯罪の確定ではありません。拘束は最長24時間となっており、警察は拘束後の最初の取調べで犯罪の認定(証拠等有無の検証)を行います。また拘束されますと24時間以内に親族、会社に拘束した旨と容疑を伝え、混乱しないようにします。日本人の場合は基本的に会社のほうに「買春の容疑で拘束しています」と連絡します。

 

3、拘束の取調べで証拠や証言等がなく、犯罪の事実が見つからない場合は釈放となります。

ただし拘束された時点で会社には報告されますので、釈放されても会社への説明は必要になるでしょう。

拘束の取調べで連れ込んだ女性との関係などを双方別室で取り調べ、双方の証言の違い等を検証します。基本的に陪酒小姐の場合は、公安に登録されているため「恋人」などの言い訳は通用しません。聞かれる内容としては陪酒小姐の個人情報や関係。当日の経緯などになり、供述調書にサインして、買春の認定待ちとなります。

 

4、買春の認定が行われると買春は「治安管理処罰法」違反になり、行政処分となります。

この場合の行政処分の内容としては罰金もしくは拘留、居留許可の取り消しとなります。行政処分通知書が発行され、それにサインして処分を受けます。昨今は行政拘留が一般的になっており、約2週間の拘留となり、拘留証が発行され提示されます。翌日、留置所に移送となります。拘留が決定しますと、警察は親族や家族に拘留の事実と理由を連絡します。

 

治安管理処罰法の範囲内の場合は基本的に行政処分ですので上記の流れとなります。

 

喧嘩で相手に大怪我をさせたり、強姦、窃盗、横領、殺人、麻薬の販売、組織売春は刑事罰になります。

この場合、拘束後にその犯罪の証拠や証言が発見されると、そのまま取調べを行うために刑事拘留となります。

逮捕されますと刑事拘留することだけを親族や会社に連絡します。このとき容疑名、罪名等は話しません。

刑事拘留は最長37日となり、その間に捜査機関は捜査を行い、証拠が固まって「逮捕」となります。

その後は検察院に送検します。あとは日本と同じです。ただし中国の場合、逮捕となりますと、日本のドラマではないですが99.9%有罪となります。

 

現在の公安の規定では最初の24時間以内の拘束の段階で、親族や会社に連絡をします。

罪の有無に関係なく拘束の事実が伝えられてしまうため、その後の会社での説明が必要になってしまいます。

 

最初に記した違法行為は日本人が中国で「拘束」される原因のほとんどになります。

これらの疑いで拘束され、会社に連絡が入ってしまうと、その後の業務に大きな影響を与えてしまう可能性もあります。

駐在員の場合「アフターファイブ」は個人の責任という方もいますが、それは日本国内のことであって、中国では会社が保証人になり居留許可をもらって滞在しているため、24時間365日会社責任になります。

上記に記した違法行為は本人に犯罪の意識があり、法令を遵守してれば拘束されることもないものばかりです。

「酒飲んで運転は違法とわかっていても、検問にひっかからなければ大丈夫」なんていう人もいますが、それは大きな間違いで、当然法で禁止にしている理由もありますし、見つからなければ大丈夫という考え方は社会人としてのモラルを大きく逸脱しています。

「違法だからやらない!」という当たり前の考え方を再度認識して頂き、疑しきには近づかない(入らない)という意識を持つことも重要です。

「自分は大丈夫」などという考えは危険であるという事、また会社責任であるという事を再度認識して頂きたく思います。