●情報
上海市内には実弾射撃場がいくつかあります。ここは一般の方でも普通に実弾射撃を楽しめるのですが、実はこれら実弾射撃場を利用すると必ず公安に登録されるのです。
先日ある事件で日本人が派出所に連れて行かれたため対応に行きました。事件自体は民事的要素が強く、普段であれば公安は何もしないはずなのに、なぜか今回は拘束されました。
結果としてはすぐに釈放されたのですが、情況は以下のとおりでした。
事件自体は恋人である女性との口論で女性が110番通報しただけだったのです。
警察は現場で男性のパスポートを確認、携帯電話で本局に照会。その後突然パトカーに乗せられ派出所に連れて行かれました。
実際口喧嘩でも情況次第では派出所に行くことはあります。その際は派出所の仲裁室に入り「二人で話し合え」となるのですが、今回は日本人男性のみでした。
その後男性は仲裁室ではなく刑事部屋に通され事情聴取されました。
その聴取内容はおまえはヤクザか?テロリストか?日本のスパイか?というものでした。その後自宅も捜索されました。
釈放後、この派出所には友人がいた為、今回の顛末について聞きました。警官の説明は以下のとおりです。
彼は上海で射撃の練習を複数回行っている。射撃場の記録がある。今回は拳銃が出てこなかったから釈放した。普通の駐在員が射撃をやる必要はない。だからテロやスパイを疑った。基本的に外国人が射撃場を利用した場合はテロやスパイを疑うようにしている。
ただ利用しただけでは拘束はしないが、何か通報があった場合に取り調べるようにしている。
との事でした。
実弾射撃場を利用する際は必ず身分証の提示が必要なのですが、この記録は全て公安につながっており、テロやスパイ、国家転覆を企てる者の監視に使っているようです。
日中関係が悪化すると時々見せしめで普通の日本人をスパイ容疑で拘束することがあります。
こういうときも実弾射撃場の記録が使われている可能性があります。
こういった形での公安への登録は当然ビザにも影響をしかねません。
今後のリスクマネジメントの一つとして、実弾射撃場の利用は控えたほうが良いかもしれません。