この時期から急増しはじめる食中毒に関する注意

●情報

 

日本でも増え始めている食中毒。中国でもこの時期から食中毒が急激に増え始めます。

また昨今では和食ブームも後押し、中国国内で生魚を食す機会も増えてきたと思います。

 

日本で最近話題のアニサキス食中毒は当然中国でもあります。

アニサキスはサバ、カツオ、鰯、秋刀魚、鯵、イカなどの内臓に寄生しております。

これが体内に入った場合、よくアニサキスが胃壁に噛み付くから痛いと思う方も多いですが、実はアレルギー反応によって腹痛などが出ます。

日本での治療法は胃カメラによる検査と摘出となりますが、ご存知の通り胃カメラは日本の発明品。ですから日本では一般的な医療器具ですが、中国ではまだまだ広まっておらず、一般的には投薬による治療と点滴になります。そのため食中毒になりますと、3日から1週間は休養と治療が必要となり、業務に影響が出てしまうでしょう。

 

そのため生魚を食す際は店選びから十分気をつける必要があります。

 

サバを例に挙げますと、新鮮なサバは内臓に寄生しています。鮮度が落ちると寄生虫は内臓から出て、身の部分に寄生するようになります。これを食すことで食中毒となります。

一般的にはサバは酢で〆たものを食します。酢でアニサキスが死ぬと考えている人もいるかもしれませんが、これは間違いで、酢では死なないことは証明されています。ワサビも同様です。

この時期の魚は新鮮だから安心と言うものではありません。

サバの場合は-30度以下で3日以上冷凍したものや、加熱することによってアニサキスは死滅します。

 

ではどうすればよいのか。

 

和食の場合、やはり料理人による駆虫が大きくなります。

イカの飾り包丁も、食感を良くしたり、食べやすくするだけでなく、飾り包丁をすることで、アニサキスを殺し、また発見しやすくしています。

日本人の魚を裁く料理人は、裁いた魚を必ず目で見て小骨を取るかのように、寄生虫を探し駆除しています。

 

しかし中国内の和食店の料理人はただ魚を切れるだけの中国人料理人や、日本料理の真似をしているだけの中国人料理人が多く、寄生虫に関する知識は皆無に等しいと思います。

また昨今増え始めている日本人経営の和食店でも、元料理人が経営しているのであれば、それなりの知識を伝授していると思いますが、ただの投資家であったり、ビジネスマンが投資している日本料理店にはこのような知識が無い場合があります。

 

生魚を食す際は、きちんと日本で生魚の処理を学んだ中国人料理人や、日本人料理人が魚を裁く店を選ぶことが、食中毒に対する自己防衛になると思います。

 

また和食以外でも、衛生や細菌に関する知識が乏しい料理人が多いため十分注意する必要があります。

 

火鍋店…肉や野菜はしっかり煮込み、半生では食さないようにしましょう。

中国料理店…小さな赤貝に似た貝を生で食べることがありますが、肝炎の原因になる場合があります。また海老やカニの白酒漬けの踊り食いも非常に危険です。その他食材はしっかり火の通ったものを食しましょう。

水…現在上海市内の水道水は浄水場の進化で、生で飲めるレベルにまで達しておりますが、水道管の老朽化がひどいため、水道水には大腸菌などの細菌がいる場合があります。水道水は必ず沸騰させてから飲みましょう。

 

中国では食材の床への直置きが当たり前に行われています。

生食は信頼できる料理人のいる店で食すようにし、自宅では生食は控えるようにしましょう。

また寿司や刺身をテイクアウトする際、中国ではプラスチック容器に入れて持ち帰ると思います。

冷蔵の生魚をプラスチック容器で持ち帰りますと、温度差で容器内に結露が発生し、これが原因で雑菌が大繁殖します。寿司(生魚をしようしたもの)や刺身のテイクアウトは控えましょう。

 

どんなに注意をしていても、中国では食中毒になることが非常に多いです。万が一食中毒になった際は我慢せず、すぐに病院に行き、適切な治療を受けるようにしてください。