サッカー観戦等、中国でスポーツ観戦等する場合の注意事項

●情報

 

4月に鹿島アントラーズ戦、川崎フロンターレ戦がありますが、これのみならず、中国でスポーツ観戦(特に日本戦)にはさまざまな注意が必要になります。

 

ここでは一般的なスポーツ観戦の注意事項ではなく、このようなイベントで中国を訪れた場合の注意事項をお伝えします。

一般的な注意事項は領事館ホームページや各クラブチームのホームページをご覧ください。

 

現在の日中関係は決して正常とは言えませんし、中国人の潜在的な意識の中に反日の芽があるという事を忘れず行動することが大切です。

 

●喧嘩に巻き込まれる

中国人は日本人を「鬼子(グイツ)」や「小日本(シャオリーベン)」と呼びます。上海では一般的に中国人同士の会話では「鬼子」を使います。周りの中国人集団の会話の中に「鬼子」という言葉聞こえたら「自分たちの事を話している(悪い内容で)」と考え、刺激するような行動は控えるようにしてください。

このような状況で中国人にぶつかったり、手が当たれば中国人は「打我了」と騒ぎだし、あっという間に人だかりができて、大勢から責められる状況に発展します。

中国(上海)人は一般的には手を出してきません。しかしこの集団からの言葉攻めは例え自分が悪くなくても、全ての人が「鬼子が悪い」と言い出し、まったく身に覚えのない事まで「やった」と作り上げられてしまいます。

日本人が上海で喧嘩に巻き込まれる場合のほとんどが、この状況に耐えられず、その場を離れようとする際に相手を手で払いのけて立ち去ろうとし、この行為を暴力とされて袋叩きにあってしまいます。

中国人は殴り合いの喧嘩の際は一人では喧嘩しません。必ず回りの人と一緒にやります。

これは一人では自分も罪に問われてしまいますが、集団で、しかも相手が悪いと一致団結することで警察に言い訳ができる環境が出来上がるからです。

こうなると警察が来て当事者は派出所に連行されます。

派出所では相手の中国人は周りの人も引き連れていき、絶対に本当のことは話しません。

仮に中国人が先に手を出したとしても、相手が日本人であれば周りの中国人は全員が「日本人が先にやった」と言います。したがって派出所でどんなに自分が正しく、また正当防衛であったとしても警官は「他の目撃者がみんなお前が悪いと証言している」となり、結果日本人の正当性は通用しなくなります。

またこの程度の事件では警察は防犯カメラでの現場確認はしてくれませんから、結果として日本人のみに処分が言い渡されます。もし相手が骨折したり怪我した場合は相手から高額の賠償金を要求され、これに関しても、警察は中国人側の味方になって「お前が悪いのだから賠償しろ」となぜか言われてしまい、数万元とられてしまうというケースもあります。

従って先に述べたように「鬼子」という言葉が出てきたり、興奮している中国人、中国人が多く集る酒場等では決して騒がず、危険を感じたらその場を立ち去るようにしてください。

そこで意地を張って「俺は何も悪くない。俺が何処で酒を飲もうと俺の自由。日本だったら店が向こう側を追い出すはず」なんて考えるとトラブルに巻き込まれます。

 

●交通事情

・地下鉄や路線バス

最近ではマナーも良くなりましたが、事情は日本とはまったく違います。

状況としては地下鉄利用者も増え、満員状態になる場合も多々あります。しかし中国人は満員電車になれていません。リュックを背中に背負ったまま、周りの迷惑も気にせずドカドカぶつかる人もいますし、普通に携帯電話で会話もします。

また満員電車で電車から降りる際、日本ではドア付近の人も一度電車から降りてくれますが、中国人はドア付近や、ドアのまん前にいても何故か踏ん張ってどいてくれません。

満員電車では降りる駅が近づいたら、到着する前にドア付近に移動するようにしてください。

また満員電車に乗る際も中国人は奥につめてくれず、何故か踏ん張ったり、押し返してきたりします。

そういう時は先の喧嘩の事例とは逆で、言葉でどくように言うと、相手は言い返してきます。結果喧嘩に発展してしまいます。この場合は背中からムリにでも乗車し、当然相手は奥につめず肘等で押し返してきたり「チェッ」と舌打ちしたりしてきますが、無視していれば問題ありません。

地下鉄に乗っている中国人は集団でない場合が多く、中国人は個では喧嘩できません。従って地下鉄ではムリに乗車しても喧嘩に発展しません。(不愉快な気分になりますが我慢です)

また満員電車や満員バスに乗車する際、乗車途中であっても強制的にドアを閉められます。過去には地下鉄で乗車途中にドアを閉め、人を挟んだまま走り出し死亡した例もあります。(今では規定によりそのようなことはありません)。路線バスは今でも容赦なくドアを閉めて走り出す運転手もいますから、ムリをせず、余裕を持って行動するようにしてください。

 

・道路事情

上海の道路は機動車レーン(自動車走行レーン)、非機動車レーン(自転車レーン)、歩道に別れています。道路のセンターラインは黄色です。

道路を横断する際は道幅が広いため、十分安全確認をしてから渡ってください。

またタクシーを止める際によく非機動車レーンまで出てタクシーを待つ若い駐在員をよく見ますが、これは自転車やスクーターの走行妨害になります。これで自転車やスクーターと接触しても文句が言えません。タクシーを捜す際は歩道から探し、タクシーが止まってから非機動車レーンに出るようにしてください。またタクシーの乗降の際は必ず後方確認をしてからドアを開けるようにしてください 。ドアを開ける側には非機動車レーンがあるということを忘れないでください。

後方確認せずドアを開け、自転車やスクーターとぶつかった場合、現行法では全てドアを開けた乗客に全責任がかります。当然タクシーの修理代も弁償しなければいけません。

また自転車やスクーター側が怪我した場合は全ての賠償責任が発生します。

最近ではドアを開けた際にスクーターが接触し、スクーター側が1週間後に死亡しました。この時はドアを開けた乗客に刑事罰が科せられ懲役3年の実刑がでた判例もあります。

また中国では赤信号であっても右折は許可されています。ただし法令では青信号側に通行するものがない場合に限り右折可となっておりますが、実際は関係なく右折してきます。

最近では交通警察の指導の効果もあり、横断歩道の手前で止まってくれる車も増えてきましたが、まだまだ一部であり、油断すると事故にあってしまいます。当然相手が全て悪いのですが、怪我をしてしまってはスポーツ観戦どころではありません。

たとえ自分が正しくても、意地を張らず、この悪習の流れに合わせることが安全に一番近いのかもしれません。

 

●上海の夜

試合終了後、日本チームの勝ち負けに関係なく、食事や飲酒したくなるものです。

日本チームが勝っても負けても、中国人の多くいる居酒屋や酒を提供する店では、日本語で大騒ぎしたりしないように心がけてください。

経済の変化と共に最近は日本料理店であっても中国人客が多くなっています。また日本人向けサービスを提供する娯楽施設でも中国人客が急激に増えています。

我々日本人が日本国内の飲食店で騒ぐ中国人を見て不愉快に思うのと同じで、たとえ日本料理店や日本人向け娯楽施設であってもここは中国であり、中国人の国なのです。当然不愉快に思う中国人もいるでしょうから、バカ騒ぎはせずに飲食を楽しんでください。

また試合終了後に日本チームの応援ユニフォームを来たまま街を徘徊したり、日本の国旗を広げたまま街を歩かないようにしてください。

応援ユニフォームは喧嘩のきっかけになりかねませんし、日本の国旗を広げたまま街を歩けば警察に捕まる場合もあります。

国旗には非常に敏感な国です。十分気をつけてください。

(ここでいう国旗とは「日章旗」と「旭日旗」を指します)

また上海の夜にはあなたの財布を狙う人たちがたくさんいます。

スリや置き引きに関しては「古北地区で不審者による暴行被害に関する注意」をご参照ください。

その他、性サービスをうたい誘ってくる呼び込みも多くいます。どのような内容であっても知らない中国人には着いて行かないようにしてください。また「自分も上海旅行。一緒に観光地を回りませんか」なんていってくる中国人もいます。結局これもぼったくり店の呼び込みですから決して油断することのないように気をつけてください。

万が一ぼったくり店に行ってしまうと、お金は20000元から50000元請求されます。またお金の被害のみならず、個人情報を取られ、性サービスの様子は全て録画されています。結果、これらを利用した二次被害や入国トラブルも実際に発生しておりますので、絶対に呼び込みについていかないようにしてください。

市内の日本人向けサービスを提供する娯楽施設では高額請求等はなく、メニュー通りの請求ですが、現在の上海は東京や大阪の風俗店より値段が高くなっております。その点、十分理解したうえでご利用ください。

また中国では買春は違法行為です。日本人が警察に捕まる最も多い理由が買春です。

とくに日式KTVから陪酒小姐(ホステス)をホテルやマンションに連れ込み、買春容疑で拘束されるパターンが非常に多く、ホテルではホテルの従業員が、マンションでは社区保安員が警察に通報しますし、通報することが義務になっております。

またホテルでは一般的に1つの部屋料金で複数人宿泊できますが、現行法では「一人一証」といって、同じ部屋でも宿泊者一人一人登記しなければ行けません。

さらに22時以降の女性の訪問は基本的に禁止であり、 22時前であっても男女問わず訪問客はホテルのフロントにて登録が必要になり、ホテルの定める時間内に退室しなければいけません。

これら遵守していても、KTV等の陪酒小姐を連れ帰った結果のトラブルがあとを絶ちません。

過去の例としては、2000元で買春の約束をしてホテルに連れ込み、行為が終わった後に陪酒小姐が「やっぱり2000元じゃ足りない」と言い出しトラブルに発展。最終的に陪酒小姐が「強姦された」と110番通報し、日本人が拘束された例もあります。他にも美人局なども多くあります。

そもそも買春は違法ですから、日本人側に法令順守の意識があればトラブルを避けられます。

このような理由で警察に拘束された場合、現在の公安の規定では処罰の有無に関係なく、拘束の段階で管理責任者(駐在員の場合は会社、出張者や旅行者に関しては旅行会社や日本の家族、会社、一緒に入国した友人)に連絡する事になっております。

このような理由で拘束されたことが会社や家族に知れてしまうと、その後の生活に影響しかねません。

法令順守の意識を忘れないように心がけてください。

 

●その他

1、警察に職質された場合は逆らわず、警官の指示に従ってください。抵抗したり拒絶すると拘束される場合があります。

2、怪我や病気で上海市内の病院を利用する際、海外傷病保険がない場合は、費用は全て先払いになります。また救急車は有料になります。

3、上海では覚醒剤や大麻などを使用する若者が増えています。麻薬の使用は中国では罰金2000元や15日拘留程度の処分ですが、決してこのようなものを使用しないようにしてください。上海で主流の覚醒剤は「ヤーバー」という錠剤タイプと「ピン」という結晶タイプがあり、これらはKTVやダンスクラブで手に入ってしまいます。過去には某日式KTVでヤーバーやピンを陪酒小姐に買わされ、個室内で使用し、ラリって病院に運ばれて捕まったり、陪酒小姐に頼まれて知らないうちに運び屋にされ、空港で捕まったりした例もあります。麻薬には決して近づかないでください。

4、中国内では身分証の携帯は義務になっております。つまり日本人は外出時は必ずパスポートを携帯しなければいけません。不携帯は行政処分罰金500元です。

5、中国に入国した外国人は24時間以内に宿泊する地域を管轄する派出所に「臨時住宿登記」をしなければいけません。ホテルを利用する場合はチャックインした際に自動的に登録されますが、知人の家に宿泊する方は必ず派出所に届け出てください。無登録の場合は行政処分罰金500元です。

6、中国は国際運転免許は使用できません。車の運転はできませんので気をつけてください。

7、街にはシェア自転車がたくさんあります。ただし利用には専用のアプリが必要になり、保証金も必要になります。また保証金は返ってこない場合もあり、鍵のかけ忘れによる多額の使用料請求が来てしまった例もあります。交通状況も複雑ですから可能な限り旅行者や観光者は使用しないことをお勧めします。

8、中国の公衆トイレは今は無料で使用できますが、地方ではまだ5角や1元のトイレもあります。またトイレットペーパーは完備されていないことが多いので注意が必要です。

9、観光地では外国人とわかると相場の数倍でお土産やお茶を売りつけてくることがあります。十分注意してください。上海市では値札の色で値引き交渉ができるものとできないものに分けています。青い値札は値引き不可。黄色は特売品で値引き不可。赤は値引き交渉可となっており、メーカー指定金額の無い物(お茶、酒やタバコの新古品、骨董品や芸術品、自家製服飾品等)は赤い値札になっております。このようなもので赤い値札すらない店では、ぼったくられる可能性が高いので利用しないようにしましょう。

10、旅行や出張で中国に来る際は、事前に外務省の「たびレジ」に登録するようにしましょう。たびレジに登録しますと、現地での緊急時(災害や有事)にスマホに情報が届くばかりでなく、災害や有事の際に大使館や領事館が邦人の安全確認をすることができます。

11、中国で一般的な緊急連絡先は以下のとおりです。

警察(治安関係):110

警察(交通事故):122

警察(SMS通報):12110

水上救助:12395

火災:119

救急車:120

総合窓口:12345

消費者保護:12315

赤十字救急:999

 

上海の街には日本語の店も多く、また日本語を話す中国人も多くいます。また同じ漢字文化圏で、町並みもどこか日本に似た部分もあり、どうしても油断してしまう部分があります。

しかしそれでも上海は外国です。

外国には外国のルールがあり、外国のやり方があります。

決して外国にいるということを忘れず、日本人として現地法令を遵守し、楽しくイベントに参加し、良い思い出を作って帰国していただければと思います。