Wechatを使った詐欺事件が発生しています。

●情報

 

Wechatの「近くにいる人」機能を使った詐欺組織による被害が発生しました。

Wechatの「近くにいる人」機能とは、自身の位置情報を発信することで、半径100mから2km位で同様に位置情報を発信しているアカウントを表示する機能です。

 

最近ではこの機能を使うと色々な営業メールがきたり、風俗の宣伝が来たりして、最近ではこの機能を使う人も減ってきました。

 

そんな中、ある日本人男性が自分の位置情報を発信してからこの事件が始まりました。

位置情報を発信してしばらくすると、中国人女性より挨拶が届き、友達登録をしました。モーメンツも普通であり、、この日本人男性は何の疑いも無く女性との会話を始めました。

 

そして数日後、女性と食事やデートをするようになりました。KTV小姐とは違い、日本語もわからない、普通の会社に勤務する彼女に男性は惹かれていき、彼女の誘いもあって、女性の家で肉体関係を持ちました。

その後はデートを繰り返し、女性も男性の家に遊びに来るようになり、恋人同士となりました。

 

男性が春節で日本に帰国していると、突然女性から写真がWechatを使って送られてきました。
それは彼女の家で性行為を行っている場面の写真でした。

驚いた男性はこれはどういう事かを女性に聞きましたが、女性は「動画であるから」と言うだけで、何の要求もありませんでした。

 

男性は削除を要求しましたが削除はしてもらえず、そのまま喧嘩別れのようになりました。

 

しかし彼女は今度は男性の携帯電話の中にあったKTV小姐の電話番号をWechat送ってきて、今度はこのKTV小姐の方に脅迫まがいのメールや写真を送り始めました。

この女性は携帯電話番号よりKTV小姐の女性の身分証番号を入手。この身分証番号を使ってKTV小姐の住所、本籍地を入手し、写真や嫌がらせのメールを送ったり、いたずら電話をするようになりました。

 

そしてKTV小姐の方を攻撃していることを男性に伝え「どうする?」と言うようになりましたが、お金等の要求は一切ありません。

 

怖くなった男性はSTCCに相談し、今回の事件が発覚しました。その後調査等を行い、これが詐欺集団であることが見えてきました。

 

その後男性宅や会社に嫌がらせをするようになり、弊社が処理することとなりました。

 

女性の手口は以下の通りです。

 

1、Wechatの近くにいる人機能を使って対象を探し、日本人を見つけて友達申請をしてくる

 

2、Wechatで会話を続け、タイミングを見てデートするようになる。この段階では何もありません。普通のデートです。

 

3、時期を見て女性から家に誘い、肉体関係を持つ。この時に部屋にマイクロカメラが仕込まれている。

 

4、妊娠したと言って(実際に妊娠したかは不明)男性の反応を見て、金を出すかを確認。この時はKTV小姐のような妊娠したから金くれと言うような脅迫はありません。自分で堕胎し、男性から病院代等が出してくるのを待ちます。本件の時は男性は女性に1万元渡しています。

 

5、男性の家に行くようになり住所を確認。そして部屋の中で日本からの郵便等の伝票にある住所や電話番号をひそかに撮影。同時に男性のパスポートと携帯電話を盗み見て、パスポートや電話帳の一部(本件では男性と関係のあるKTV小姐と日本の電話番号)を撮影。

 

6、材料が揃ったところで、性行為の動画を画像化して送信。別れ話をして嫌がらせを開始する。

 

7、男性が反応を見せないと、電話帳に合った電話番号の方に嫌がらせを開始し、男性からお金の話をしてくるのを待つ。

本件でKTV小姐の個人情報を入手した方法は、電話番号から中国聯通内にいる仲間に登録情報をもらう。身分証番号を公安局の仲間に渡し、本籍地や家族、上海の居住地情報を入手し、このKTV小姐にすべて知っていることをSMSでアピールし無言の恐怖を与えていました。

 

8、これでも男性からお金の話が出ない時は、自宅に行って騒いだり、会社に行って会社の前でずっと待っていたりと無言の圧力をかけてきます。

 

9、広東省の複数の電話番号を使って、連続して数時間にわたり電話が鳴り続ける嫌がらせを行う。これは迷惑電話業者やPCの専用ソフトを使って自動で行われるものです。

 

10、入手した情報(パスポート写真、肉体関係の動画のスクリーンショット、KTV小姐の個人情報を1冊の資料のように構成し、計画書と言うヘッダーを付けてバイク便で自宅、会社、日本の家に送り付けてきます。本件ではこれら資料内の写真にはすべてモザイク処理されており、写真類は一旦パワーポイントで構成し印刷しています。

 

11、このようにあらゆる方法で男性に圧力をかけ、男性からお金で解決しようと言う提案を引き出そうとしてきます。

 

STCCで対応調査した結果、以下の事が判明しました。

 

1、女性は素人ではない。
マイクロカメラの設置、個人情報の盗撮等、巧妙に行っていることから素人の行動ではないと言う判断。

 

2、電話番号から個人情報の入手は普通は不可能です。脅迫に使われた資料には中国聯通の顧客情報の画面を撮影した写真、公安局の常住人口基本信息の画面が撮影された写真が入っていたことから、背後には通信会社や銀行、警察官、各役人が絡んでいることがわかり、また画像処理技術、モザイク処理技術、迷惑電話システムの操作などから、女性の背後に大きな組織があることがわかります。

 

3、女性からは一切要求はありません。送られてきた資料等にも手紙もなにもありません。つまり表向きは脅迫に見えないように仕組まれています。今まで多くのKTV小姐の脅迫事件を処理してきましたが、それらとは性質が全くう違うものでした。明らかにプロの仕事です。

 

本件の女性は安徽省の田舎出身の子でした。このような女性が画像処理、迷惑電話システム、マイクロカメラなどを準備操作するわけが無く、明らかな組織による詐欺行為であることが伺えます。本件対応中にもこの女性は別の日本人男性にも接触しています。

 

現状、この女性はSTCCが対応処理し、最後に派出所で対処した後に死亡しています。

表向きは自殺と言う事になっておりますが、実態を考察すれば警察沙汰になってしまったというミスを犯した彼女を背後の組織が調べられることを恐れ、自殺に見せかけて殺したと思われます。

 

これらからこのような女性(引っ掛け役)がまだまだたくさんいると思われます。このような事件に巻き込まれないためにも、Wechatの「近くにいる人」機能の使用を控え、自己防衛に努めてください。

 

また本件対応中も別の日本人男性を引っ掛けています。その為、心当たりがある方は連絡を頂きたく思います。女性はすでに死亡しているため、背後の組織にたどり着けていません。またこの日本人男性もおそらく本件同様に撮影、個人情報流出が予想されます。この女性の情報を一部公開しますので、心当たりがある方はご連絡ください。

 

女性の情報(一部公開)

 

名前:王●蓮

出身:安徽省BengBu市(虫に豊、虫に阜)

学歴:上海戯劇学院(上海市華山路630号)

生年月日:1992年8月18日

 

心当たりがある方はSTCC相談窓口よりご連絡ください。