中国でWEBを開設する際のICP登録に関して

●情報

 

最近日本企業からの相談でICP登録に関するものが多いのでまとめました。

 

■ICP登録とは

ICPとは「Internet Content Provider」の略語で情報統制のために2005年2月より施行された、中国内サイトの管理制度です。

中国のサーバーでWEBサイトを公開し配信する場合は運営者の個人、法人、国籍を問わず、全てのWEBサイトは中国の法令で定められているICP登録を行うことが義務付けられております。

登録は各地域の工業和信息化部で登録申請を行い、交付されるICP登録番号をサイトトップページに記載しないと、サイトを公開することはできません。

これらを行わずにサイトを公開した場合は、配信停止命令や罰金、営業停止等の厳しい処分が下されます。

 

■経営性(営利性)と非経営性(非営利性)に関して
「インターネット情報サービス管理弁法」によると「第4条:国は経営性インターネット情報サービス大して許可制度を実行し、非経営性インターネット情報サービスに対しては報告記録制度を実行する。許可を取得しておらず、また報告記録手続きをしていない場合には、インターネット情報サービスに従事してはならない」

 

・経営性の定義

法令によると「インターネットを通じてネット使用者に有償で情報を提供し、またホームページ制作等サービスを従事するもの」

簡単に言うとショッピングサイト(モール)、有料オンラインゲーム、ネット広告配信、会員制有料情報サービスなどオンライン上でビジネスを行い、決済までするサイトのことです。

 

経営性ICPは通常「増値電信業務経営許可証」と表記され各地域の工業和信息化部に申請します。また各地域の工商局に経営性ネット許可を取得します。

 

申請条件(2009年改定)

・中国国内法人であること

・現地の情報安全政府機関へ業務範囲の申請を行い、その範囲内でネット業務を行うこと

・資本金人民元3万元以上であること

・事業計画の提出

・1年に1回再審査を受けること 。

 

・非経営性の定義

法令によると「インターネットを通じてネット使用者に無料で効用性および共同亨用性を有する情報を提供するサービスを従事する活動」

簡単に言うと会社の案内、会社の商品紹介、サービス案内をネット上で行う企業サイトや個人趣味、情報提供サイトのことです。

 

■2009年に交付された改正法(処分に関して)

1.ICPサイト登録を行っていない、もしくは登録番号の記載がないサイトについて、当局はサイト運営者に対して即刻サイト閉鎖処分を科すとともに、同時に登録手続きと番号の記載を行わない場合は、さらに罰金処分を科します。

2.すでにICPサイト登録番号の記載があるサイトについても、記載番号が正確でない、もしくはサイト運営者などの登録情報が不正確である場合は、上記1と同様の処分を科します。

3.サイト運営者が中国に住所等の連絡先を持っていないという理由で、これまでICPサイト登録を行っていなかったサイトについても、上記1と同様の処分を科します。

■ICPの性質

ICPは総称であってその中にいくつかの分類があります。代表的なものとして

・ニュース配信

・薬品関連

・掲示板関連

・教育関連

などがあり、サイトのコンテンツによってそれぞれ許可が必要になります。

 

また現段階で外資企業に経営性ICPの許可が下りた例はありませんので、外資企業でネットサービスを行う場合は、新たに内資企業を設立したり、外商投資企業の設立が必要であると考えられます。もしくはすでに認可を取得している中国内のIT企業との業務提携という方法もあります。

 

■その他

たとえば大使館、領事館、当サイトSTCCはICPを取得していません。
理由としてはサーバーが日本国内であり、運営が日本の機関、企業であること、配信情報が日本向けであるということです。非経営性であることです。

 

ただしいくらICPが不要であっても、配信内容が中国の法律に違反する内容であったりすればアクセス制限の対象になる場合があります。

 

今後中国に進出してくるIT企業も増えると思います。

日本のように自由な活動ができないのが中国IT事情です。

この分野は新しくできた分野で誤魔化しがきかない部分ですので、安易な考えで経営性サイトを立ち上げないよう十分気をつけてください。