東日本大震災を忘れない。上海でも防災について考えてみませんか

●情報

 

今でも東北では復興活動が続いています。

上海に居る我々は有感地震が少ない事もあり、どうしても防災意識が薄れていってしまうのが現状です。

しかし上海も地震とは無縁ではないと言う事を忘れないでください。

上海市は中程度の活動プレート上にあり、決して地震が無い場所ではないのです。過去の上海の歴史では地震の記録も残っています。また津波に関しては上海の東には広大な推進200m未満の大陸棚が広がっており、津波はかき消されると言われていますが、学者の中には南海トラフでM9.0の地震が発生した場合、上海には約2mの津波が来ると言う方もいます。

そして致命的なのが上海市民自身が地震に対する意識が低いという事です。1996年の長江沖M6.1の地震の際は、めったに起きない有感地震にパニック状態になった市民も少なくなかったと言います。

また上海の建物は未だに耐震建築はされておらず、上海の郊外地区では耐震基準すらないと言います。一般的に上海の建物は震度5で崩れると言われています。

そして最も恐ろしいのが、2600万人ともいわれている上海の人口です。そしてその多くが防災意識のまったく無い外地人と言うことです。一度震災が発生すれば、おそらく火事場泥棒、強盗、略奪等は日本人には想像できない数になるであろうと思われます。

震災に遭遇する事が少ない上海だからこそ、防災に関する事を今一度考えてみませんか?

 

現在上海市では防災強化を図っています。

上海市内各地に緊急避難所を設け、防災対策を急ピッチで行っています。

そこで各家庭、事業単位で最寄の緊急避難場所を把握しておく事をお勧めします。上海市の緊急避難場所には下図の看板が設置されています。

 

これは各地にある緑地や学校、公園などで目にする事ができます。

 

日本人が多く住むエリアでは以下の場所にあります。

 

天山エリア…天山中学、長風公園

虹橋開発区エリア…虹橋公園

古北エリア…延虹緑地

中山公園エリア…中山公園、天山公園、凱橋緑地、安順緑地運動場

虹梅エリア…西郊賓館付近

 

まだまだ少ないですが、大きな避難所は上記のようになります。

災害発生時はまずは小区内の広場に集合し、友人や仲間と集団で避難場所に移動するのも良いかもしれません。

 

また避難所に設置されている各種公共サービス表記についてご案内します。

 

応急指揮…地域街道、鎮政府、市政府、消防、公安などの指揮所

応急棚宿区…緊急テント設置地区

応急物資供応…食料、毛布などの緊急災害物資提供場所

応急供水…給水場所

応急医療救護…緊急医療提供場所

応急厠所…緊急災害トイレ設置場所

 

上海市も上記のように災害対策は行っておりますが、実際の震災の際はパニックになった自己主義の中国人で騒乱になるでしょう。結局これらが市民自身のせいで機能しない可能性もありますので、各家庭、事業単位で非常持ち出し袋を用意しておく事をお勧めします。

 

非常持ち出し袋に入れておく最低限の必需品リスト

非常袋…両手が自由になるリュック型がおすすめ

飲料水…1日1リットルで考え、500mlのペットボトルを数本

非常食…カンパンなどが一般的ですが、災害時だからこそ美味しい食事で心を落ち着かせたい物です。

    日本の食品で揃える事をおすすめします。ツナ缶は利用性も高く、ランプとしても使えるので

    1つは入れておきたい物です。

懐中電灯…予備電池も準備して置いてください

ラジオ…あれば可であるが、どうせ中国語の放送なので、聞き取るのが困難かも知れませんね。

    でも情報は大切です。おそらくパニックになった中国人は噂に流され間違った行動をする

    でしょう。そんな中でも集団行動心理に流される事なく、きちんと情報が把握できる物を

    準備しましょう。できればイヤホンタイプでなくスピーカータイプを準備して周囲の中国

    人にも聞こえるようにし、間違った行動にでないよう働きかけましょう。

薬品…マスク、絆創膏、消毒液、その他常備薬数日分

着替え…大きな物は無理ですが、下着は準備しておきましょう。靴下も重要で、靴下をこまめに交

    換できるようにしておきましょう。瓦礫などを踏み、足を怪我した場合や、濡れた場合、足

    が細菌感染し壊死するのを防いでくれます。

筆記用具…油性マジック、メモ帳等

文具…ハサミやカッターナイフ、ガムテープ(布製)等

ライター…できればチャッカマンタイプが便利

タオル…怪我の手当てや緊急のマスク、下着の代用になります。

トイレットペーパー…意外とあると助かります。防寒にもなります。

軍手…防寒や作業、手の怪我防止み使えます

雨合羽…防寒や体温の低下を防いでくれます

レジャーシート…避難先の場所確保、防寒、雨よけなど用途はさまざまです

サランラップ…ラップは防寒や緊急の包帯、ロープとして使えます。また新聞紙とあわせて防寒具に

       もなります。

 

挙げればキリが無いですが、一般的なものは上記のような感じです。各家庭や事業単位で用意しておきましょう。

 

次に忘れてはいけないのが 領事館への在留届です。災害発生時、領事館はこの在留届をもとに、邦人の安否確認を行います。忘れずに領事館に在留届を出してください。

また在留届はネットでも届ける事が可能ですので、必ず届け出て置いてください。

詳細はこちら→ http://www.shanghai.cn.emb-japan.go.jp/procedure/index002.html

 

災害時に重要なのは、まずは自分の安全を確保する事です。災害で死傷する場合でよくあるのが、家族を助けに戻って二次災害にあってしまうということです。まずは家族や事業単位で話し合い、家族や同僚を信頼して逃げると言う事を心がけてください。

また中国で被災した場合は、先にも述べたように中国人がパニックになったり、強盗、略奪、暴徒化することが容易に想像できます。隣近所、仲の良い友人や同僚で示し合わせ、避難場所ではなるべく日本人同士集団で行動し、暴徒化した中国人から物資と身体を守るように心がける事も、日本と違って重要になるかもしれません。

 

また上海市では戦時用の緊急シェルターも各地に点在しています。今の中国を考えると震災より可能性が高いかもしれませんね。下図の案内がある場所に緊急避難シェルターがあります。

民防工程や応急掩蔽場所と書いてあります。小区の地下駐車場などが緊急シェルターになっている場合が多いです。

 

上海だから震災が無いとは言えませんので、この期に上海での防災について考え、せめて家の近くや会社の近くの緊急避難所くらいは把握し、震災時の避難場所などを取り決めておいておくと良いかもしれません。