長江の洪水。はたして上海に影響はあるのか

●情報

連日、長江全流域で大雨が降り、日本でも報道されているように、各地で洪水が発生したり、警戒水位を超えている状況が続いております。

 

この状況で、中国屈指の大都市で、最も日本人の多い上海市は大丈夫なのか。

 

ネットでは上海が水没するとか、三峡ダムに穴が開いているなどのデマも流れ始めております。

 

そこで上海市防汛指揮部の話をお伝えします。

 

上海市の場合、長江上中流域の洪水の影響は微小であると言います。

それより上海市が最も警戒しているのは江蘇省の太湖で、太湖が氾濫した場合、上海市への影響は大きなものになります。

現在、太湖の水位は連日警戒水位を超えており江蘇省は緊急排水を行っております。

その為、上海市は太湖からの水を速やかに杭州湾や長江に流すため、蘊西水閘と淀西水閘をの二つの閘門を開き、太湖の水を一旦受け入れ、同時に黄浦江の各閘門を開き、杭州湾や長江に強制排水しております。

6月28日1回太湖の水が溢れたものの、それ以降は警戒水位ですが水位4.45mを保っております。

ちなみに太湖の洪水水位は4.65mで、依然油断ができない状況です。

 

上海市内江蘇省接続閘門の水位

 

現在上海市では杭州湾と長江への排水の為、黄浦江の4つ閘門を7月9日から12日の期間、計29回160時間開き、5084万㎥の水を排水しました。

 

また蘊西水閘と淀西水閘は140時間開き約5000万㎥の太湖の水を排水しました。

 

現在も状況に合わせ排水を続けております。

また上海市では水務局員が市内の全堤防を巡査し、安全確認を行っております。

 

ネットなどで三峡ダムが決壊したら上海は水没する等の情報が出回っておりますが、先に述べたとおり、長江上中流域の洪水による上海の影響は微小であり、注意しなければいけないのは太湖の水位です。

 

太湖とその周辺(上海を含む)の推移状況等は「水利部太湖流域管理局」のホームページで確認できます。

実際に太湖が溢れて上海に水が入ってきても我々は何もできませんが、日本同様に停電、断水などが発生すると思われます。

災害用バッグの準備はしておいた方が良いかもしれません。

 

ちなみに現在の太湖とその周辺に洪水橙色警報が発令されております。

 

関係各所は24時間体制で最善を尽くしてくれています。

最前線で我々を守ってくれている方の安全を祈りつつ、自分たちもできる準備は実施しましょう。

 

 

 

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