人身売買を目的とした子供の誘拐事件が増加傾向

●情報

中国各地で人身売買を目的とした子供の誘拐事件が増加傾向にあります。子供のいるご家庭では十分注意してください。

 

先日広東省では母親が公衆トイレに入っている間、子供をトイレの前に待たせ、その結果、子供が誘拐される事件が発生しております。

トイレに入っていた時間はわずか2分。

 

その後、泣きわめく子供を抱え、あやすことも無く歩いている男性を通行人が目撃。

子供の膝に擦り傷があり、血が出ている状況で手当ても無いことから不審に思った通行人が警察に通報。

 

警官が子供連れの男性に職質している最中に、トイレの母親による「子供が行方不明になった」との通報が入る。

 

警官が男性を事情聴取をし人身売買を目的とした誘拐であると自供したため現行犯逮捕。

子供は無事に帰宅できました。

 

 

 

また数日前天津では大胆にも母親と手をつないで歩いている親子の前に犯人が現れ、無理矢理子供を抱きかかえ奪おうとする事件も発生しております。

 

 

母親が子供の手を離さず、とっさに大声をだした為、付近の通行人数名が犯人を取り押さえ、誘拐未遂で済んだ事件も発生しました。

 

いずれも未遂で終わり、犯人を逮捕できているのでニュースになっているだけで、実際はかなり多くの誘拐事件が発生していると思われます。

 

日本などでの誘拐事件は身代金目的が多く、その為犯人を捕まえるチャンスもありますが、中国の誘拐は人身売買が目的であるため、一度見失うと子供を見つけ出すのが困難となります。

 

お子様のいる家庭では以下の点に注意しましょう。(公安局提示)

 

1、公園、スーパー、病院などで中年女性が子供に話しかけて、そのまま連れ去る事件が多くあります。中年女性の接近には十分注意し、子供に「知らないおばさんについて行かないよう」に教育しましょう。

 

2、スーパーや商店、市場などで商品を選んでいる時は極力子供の手を離さないようにし、万が一、手を握っていることができない状況では必ず視界内に入るように心がけましょう。

 

3、車を運転中、もしくはタクシーに乗っている際に窓が開いていると、車の進行方向と逆行する歩行者が突然窓から手を伸ばし子供を奪うという事件も発生しております。

車に乗せる場合はチャイルドシートを、またタクシーなどではしっかりとシートベルトをし、窓を全開にしないように注意してください。

 

4、子供が言葉を話せるようになり、理解できる年齢になったら、住んでいる小区名、両親の名前、電話番号を覚えさせ、公園等で迷子になった場合は一般人ではなく、制服を着た警備員や清掃員などを探して、電話番号が言えるように教育しましょう。

 

5、ベビーシッターや家政婦を雇う場合は必ず身分証を確認し、コピーを保管しておきましょう。このようなしっかりした対応が、誘拐を抑止することにつながります。

 

6、公園や公道での誘拐の場合は、犯人は自転車やバイクに乗っている場合が多いので、これらには近づかないように保護者は注意し、子供には正しく教育しましょう。

 

7、両親は定期的に子供の写真を撮影し保管しておきましょう。また外出時は着用している衣服などをしっかり確認し記憶するようにしましょう。

 

他にも色々とありますが、事前防衛策として、中国では人身売買を目的とした誘拐が多いという事を忘れず、しっかりと子供に教育するように心がけてください。

 

万が一、子供が行方不明になったら以下の行動をお勧めします。

 

1、自身で付近を捜索する前に、視界内に子供が確認できなかった場合はすぐに110番通報しましょう。110番通報の際は子供を見失った正確な場所と時間が重要です。場所は付近の建物の番地表記や交差点の道路名を伝えればOKです。110番通報しますと巡回中の警官が駆けつけると共に、110番指令室から管轄の派出所に連絡が入り、即時街の監視カメラで捜索してくれます。遠慮せずに通報してください。

 

2、周囲の人達にも助けを求めましょう。言葉の壁などもあると思います。周囲の人にお願いして通報してもらっても構いませんし、中国人の性格上、周囲の人も探してくれる場合が多々あります。

 

子供を見失ったらまずは110番です。

日本だと自分や家族で思い当たる場所を探して、数時間経ってから警察に通報という流れが主流です。

これは日本の誘拐は身代金目的だからギリ可能な対応方法です。

しかし中国では人身売買が目的であり、一度見失うと地下に潜ってしまいます。

したがって時間が大切なのです。

中国では誘拐時間が多い事もあり、日本の警察のように「まずは付近を自分で探してください」なんて言う事はありません。即刻カメラ等を使って捜査が開始されます。

 

万が一110番通報して、実は子供が勝手にふらふら歩いていただけで、すぐに見つかったとしても、警官は110番通報したことに関して攻める事はありません。

逆に「無事で良かった」と微笑んでくれるでしょう。

ただし、保護者には子供の手を離さないよう注意はありますが。

 

したがって子供を見失ったときは遠慮せずに110番通報をするようにしてください。

日本と中国では誘拐の理由が違います。初期対応を間違えると探せなくなってしまいます。

保護者様におかれましては、初期対応を間違えないよう、常日頃から子供や配偶者とよく話し合い、何かあった際の対処方法を決めておくとよいでしょう。

 

 

 

 

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