北京でもクラスター。上海の受験生向け案内から推察する感染状況

●情報

北京ではここ数日で武漢を思い出させるような市場からのクラスターが発生し、無症状(まだ発症していないだけの可能性も)感染者を含めて50人以上の感染が確認され、該当の市場は閉鎖。感染者の居住する小区を中心に、付近の小区も含めて再び閉鎖式管理。付近の小学校では1年生から3年生までの授業再開が延期。などなど、再び強権が発動されました。

しかも調査の結果、サーモンのまな板からウイルスが発見されたことから、輸入サーモンが原因とし、北京市内のスーパーや卸売店ではサーモンの販売を停止しました。

また北京市も生鮮食品の検査強化を打ち出し、精肉、水産、野菜などのウイルス付着の検査を始めています。

どうしても原因を輸入にしたいとう思いが見え隠れしておりますが、前から書いている通り、いつでも、どこでも感染する可能性があるという事です。

武漢の1000万人検査では中国内発表では感染者ゼロ。国外向けでは無症状感染者300人。裏情報では抗体保持者が10万人。感染者は・・・。書けませんが、入ってきた幹部情報ではかなりの人が見つかってるとか。

 

本日、上海市では6月27日に始まる中学卒業試験で、受験生に向けた新型コロナ対策のような案内が発表されました。

一部抜粋して記します。

 

1、受験生は受験日前に随申QRもしくは親族随申QRに登録し、同時に「2020年中学卒業統一学業試験、中学学業水準試験受験生受験安全承諾書」をダウンロードしなければいけない。

 

2、受験生は6月13日から上海を出てはいけない。承諾書の設問に正しく答えなければいけない。

もし受験生に発熱、家族の高リスク地区への既往歴、接触歴がある場合は医学的対処を実施し、新型コロナ感染検査及び抗体検査を行い、受験日に試験会場入り口で提示しなければいけない。

 

3、4月8日以降で湖北省から上海に戻る受験生に関して

(1)武漢から戻る受験生は全員14日の自宅隔離(上海市内に家がある場合)、或いは集中隔離観察(上海に家が無い場合)をし、新型コロナ核酸検査と抗体検査を受け、受験日当日に試験会場入り口で検査報告書を提出しなければいけない。

 

(2)武漢を除く湖北省から上海に戻った受験生は新型コロナ核酸検査と抗体検査を受けて問題なしとなるか、14日以上の隔離が完了しているかのどちらかが完了していれば受験できる。

 

など全部で10項目があり、これらすべては外地での感染、もしくは外地からの感染を防ぐためのものとなっております。

 

気になるのが上記2の「上海を出てはいけない。」という部分。

一生を左右する受験ですから万全を期してのことでしょうが、これは上海を出た人は試験会場に入れないわけで、試験会場でのクラスター防止を意味しています。

つまりあからさまに外地では感染する可能性があるという事を指しています。

また湖北省、特に武漢から上海に戻る受験生には隔離などを厳格に要求しています。冒頭に記したように1000万人検査を実施して感染者無しと発表しているのにです。

また受験生の家族にも外地への移動に関する制限もあり、つまり中国内では発表されていない感染があるという事を如実に示しているわけです。

中国にとって子供は国の宝という事になっていますから、過剰な規定なのかもしれませんが、表向きは感染が無いとなっているのに、国の宝をここまでして守っています。

 

一方、社会人はどうでしょう。経済の再起の意味もあり、今では中高リスク地区以外から上海に戻る場合は隔離も何もありません。出張などもほぼ自由です。すでにマスクすらしない人や、いわゆる3密の夜の店なども客が戻り始めています。

KTV等で働く陪酒小姐もモーメンツなどで田舎と上海を行き来している書き込みがあったり、「今日上海に戻ります」などと書いている陪酒小姐もいます。

 

これらは別に問題は無いでしょう。なぜなら表向きは感染者はいなのですから。

でも国の宝である受験生には上記のように厳しい制限を掛けています。

 

どちらが正しいのか。それはわかりませんが、少なくとも受験生に対して出しているガイドラインが正しい感染防止対策なのでしょう。

 

夜関連のネット掲示板などでは「感染者なんていないじゃん」とか「感染なんてするわけない」「もう大丈夫」「大袈裟すぎ」などという、一部の楽観者の自分の見える範囲、知る範囲のみでの書き込みが目立ちますが、この受験生のガイドラインを見た時、同じことが言えるでしょうか。

 

最近は公○幹部との食事会などで市中心部に行くことが多かったのですが、上海人の多いビジネス街ではほぼ99%がマスクを着用していました。一方、虹橋や天山、仙霞など外地人や外国人が多い地区でのマスク装着率は70%と言ったところでしょうか。

つまり高い水準の教育を受けてきた上海人は、街が安全な空気でもきちんと感染防止対策をし、学歴の無い、または中低水準の教育を受けた一部外地人は、街の空気に流されてマスクすらしなくなっています。

しかも田舎から戻ってすぐに夜の仕事。

 

ウイルスは目に見えません。感染情報も正しいかどうかを検証する方法もありません。

そんな中で自分を守る方法はこのような周りの情報から感染状況を推察し、自身を守るしかないのだと思います。

「自分は大丈夫」「俺の彼女は大丈夫」等、根拠が示せない思い込みは危険という事です。

もしかしたら今あなたの隣に無症状感染者、もしくは症状を隠している感染者がいて、あなたのお酒を作っているかもしれませんよ。

 

 

 

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