【箸休め企画】第2回 上海の映えスポット① 詩季織々 上海恋編

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●情報

2018年に日中合作のアニメ映画「詩季織々」(中国名「肆式青春」)が放映されたのをご存じだろうか。

短編3部をまとめた映画で、「陽だまりの朝食」「小さなファッションショー」「上海恋」とあり、中国の各地での若者の子供時期から大人になってからを描いたものだ。

中国に関わったことが無い日本人にとっては「ふーん」程度かもしれないが、中国に関わったことがある日本人なら面白く見れる映画だ。

 

とくに「上海恋」は現在の上海と数十年前の上海が描かれていて面白い。映画を見てると「ここはあそこかな?」などと考えてしまう。

 

映画のタイトルにもあるように中国名もある。つまり中国でも放映されており、日系企業に勤めている社員や日本人に関わる仕事をしている人なら必ず見たと言えるだろう。

もし恋人が知らないのなら「じゃあ今度一緒に見よう」などと言うのも良い。

中国の動画配信サイトなどでは日本語版、中国語版の両方を用意してある。「愛奇芸」などがお勧めだ。

 

日本でもアニメ映画などのモデルとなった場所をめぐる「聖地巡礼」というものがある。

そこで詩季織々の上海恋編で聖地巡礼をやってみた。

 

正直言って情報はほぼ皆無。当然、中国の検索サイトで「聖地巡礼」と検索しても何も出てこない。

そこで百度地図の衛星写真やストリートビューで必死になって探してみた。

 

映画の中にヒントはあった。

 

上海に17年以上住み、日本人のトラブル対応で上海を走り回り、今では緊急の電話で住所が読めない人にも「周りに見える景色やバス停、お店、歩道橋」などを聞けば、ほぼ場所が特定できるようになったので、ある程度当たりを付けることはできた。

 

上海恋では石庫門の家が登場する。しかし場所は特定できたのだが、残念ながら再開発ですでに取り壊し途中で撮影はできなかった。あと1年早ければと言う感じだった。

 

しかし一つだけ今でも存在する、映画に出てくる建物があった。

 

それが上海恋編のヒロイン「シャオユ(夏小雨)」(声:長谷川育美)の実家である団地だ。

 

映画内のシャオユの家

 

実際の建物

 

ちょっと構図がズレてしまったが、間違いなくここである。

この場所に行ったとき、中国人の若いカップルが何組か、この団地の前で写真を撮っていた。きっと聖地巡礼なのだろう。

 

なかなか古い建物で、正直言って「めちゃくちゃ」の一言。

でも一昔前の上海を知っている私にとっては、なんか懐かしい感じがした。

 

実はここ。上海市の優秀歴史建築物に指定されているのだ。

 

1930年にイギリスの建築家によって設計された建物で、当時は租界地区を警護する警察官の宿舎となっていた。

今の中国になると、ここは公安局楊浦分局の職員の官舎となった。現在は一般住宅である。

 

ここにも都市伝説があって、かつてここには人肉を食べる人が住んでいたとか。

2004年の映画「功夫」でもこの建物が登場し「豚籠城塞」なんて言われていました。

 

時間がある時にでも、上海の1つの記念として訪問してみてはいかがでしょうか。

 

ただここには実際に居住している人が多くいます。

訪問や撮影の際は住人に迷惑にならないよう、静かにしましょう。

 

ちなみにこの写真を飲み屋で見せた結果、「詩季織々は見た。あーっこの場所知ってる。映画に出てたよね。えーっ、今度連れて行って」と言われ「嫌だ」と答えました。

このように日本人に関わる仕事の人は見たことがある映画です。

話題作りにいかがですか?

 

上海で遊びと言うとゴルフ、BAR、酒、カラオケと言うイメージが強いですが、こんな遊び方もあります。

今後「箸休め企画」ではこのような健全な遊びの情報も提供していきます。