※お試し版では実名及び実店舗名は伏字とさせていただきます。
●情報
事件対応、トラブル対応、公安補助等やって15年が過ぎました。
2008年北京オリンピックの前に立ち上げたのが探偵事務所でした。
浮気調査や横領の調査、小姐の調査などから始めたのですが、次第に小姐とのトラブル相談や処理、ぼったくり対応の依頼が来るようになりました。
中国では探偵業は違法です。当時から公安や国安、裁判官などと遊んだり、麻雀をやっていたので「中国国内の紙ベースの広告を出さない条件ならやってもいいよ。何か言われたらすぐに助けるから」なんて言われて始めました。
そんな時代でした。
探偵事務所のホームページだけでやっていたのですが口コミで広がり、次第に調査依頼よりトラブル相談が増えました。
なんせあの時代はオーバーステイで困っている日本人がいても私に相談すれば何とかなったり、警察に捕まっても私が迎えに行けば出てこれたり、パトカーで遊びに行ったりと、とにかくなんでもありの時代でした。
2010年上海万博のころには詐欺事件も増え、万博詐欺で日本人に騙された日本企業や飲食店は多かったでしょう。
この頃は日本人が日本人を騙す事件が多くありました。Gの川○とか、ワインの吉○とか、相談するとまずは龍華寺で祈りなさいという小○とか、ラーメンフランチャイズの小○とか、クラブ(踊る方)で日本人に麻薬販売の中○と黒○、DJ B○R○などなど
なんせみんなバブルでしたから。
毎日KTVでバカ騒ぎして、夜食で避風塘。そのまま家に連れ込んで…なんていうのを多くの駐在員が当たり前のように毎日やっていました。
駐在員の会話も朝は「昨日の女とはどうなった?」昼は「今度どこ行く?」夜は「今夜どこ行く?」
日本料理店で上海ウォーカー(今のWhenever)片手に今夜の店を決める。なんせ毎月ニューオープンがあったので。
24時間営業の日本料理店もあった時代です。←串〇
〇む〇びも今では2号と7号と8号の3店舗のみですが、この当時は1号から9号までありました。
〇グループ(現8〇8)はか〇や〇(領事館員自殺事件)、竹〇物〇、ロ〇ヤ〇など数店舗。
ね〇と〇は3Fから8Fまでビル1本。
小姐も若くて元気でした。
単体ではシ〇レ〇ド(日本企業出資で内装だけで3千万円)、ジ〇ー〇ー(ダブル〇ママで有名:現〇む〇び2号大ママと7号ママ)。赤〇(今も健在)、オ〇ロ〇(のちにア〇ハ)、花〇(上海人が多かった)、ロ〇ン(某空調メーカー御用達)その前ならドラゴン〇ー〇(鳥〇明の事務所出資という噂)、キ〇バ。
ラウンジ式の店は虹橋より市中心部(花園飯店付近)に集中しておりました。
日本村や虹橋倶楽部で飯食ってそのまま遊ぶというワンストップのビルもありました。
古北2期は以前は花や鳥の市場で古羊路沿いには長屋のような感じでコテコテの看板のカラオケスナックがあり、古北2期開発に伴って古羊路には美食街ができました。 ←今は取り壊し
上海の夜の世界もバブルでした。
そういった狂った時代だからこそ、トラブルも多く発生しましたし、そういう時代だからこそ、多くの人がお金で解決していました。
結果、揉めれば金が手に入るというのが一般的になり、縁〇す〇7号店が出来たころ、2号店のママから7号店のママになった王〇がいわゆる恐喝マニュアルを作りました。
妊娠したらラッキー!やった客全員に連絡しろみたいな感じも王〇の指導から始まりました。
そんな時代だったからこそ。探偵事務所を改めて「在中国日本人トラブル相談センター STCC」を2010年に立ち上げ、以降はトラブル対応や無料相談をメインに仕事をしてきました。
とにかくこの時代は女性トラブルが多くありました。毎日のように相談がありました。STCCもあるいみバブルでした。毎日ぼったくり対応。1週間1件以上の恐喝事件。
STCCができたことで、これまでお金で解決(事実上の泣き寝入り)だったものが、小姐やぼったくり、詐欺師と戦うという形に変化してきました。
そんなバカみたいな時代の中、ある出版社から本の話が来ました。2015年のことです。
そもそも私は東京の理系大学でバリバリの理系でしたし、高校時代は国語なんて赤点ギリギリでしたので、本を書くなんて無理でした。そもそもSTCCもバブルで本を書く暇なんてなかった。
出版社からはこれまで対応した事件をまとめるだけでよいのでというので、いくつかまとめてみてと言われていました。
そして渋々まとめてみたのですが、やはり途中でめんどくさくなり出版の話は断りました。
そもそも私の仕事は有名なってはいけない仕事ですし、日本人社会は出る杭は打たれますから、有名になれば余計な仕事も増えてしまいます。なんせSTCCはまともなことを厳しく言うサイトでしたから、バカやってる人や犯罪者、詐欺師ににとっては迷惑な存在であり、チャイステX(今の爆サイの前身)で叩かれることもありました。
そういったこともあって出版はやめたのですが、とりあえず途中までまとめたものがあります。
最近PC内のファイルを整理していたら出てきて、ちょっと読み返してみました。
内容は古いですし、まだ私も粗削りだったのでひどい内容です。
ただ捨てるのはもったいないので、2015年当時のものですが、書いた部分に関してSTCCメンバーズ内で「読み物」として公開しようかと思います。
内容は以下の通り
■もくじ
●はじめに
●最後に
こんな感じで、はじめにから7まで書いてありました。←我ながら頑張ってた(笑)
これまでの事件簿と重なる部分もありますが、公開しようかと思います。
とりあえず今回は「はじめに」の部分を公開します。
以降はネタが無いときに「読み物」として小出ししていこうかと…(笑)
興味がある方は読んでみてください。
※理系の私が書いたものです。誤字脱字、文法間違いはお許しください。
●はじめに
あなたは上海赴任が決まった時に何を考えましたか。
ニュースで見るような環境問題や政治、経済状況、言葉。この辺は考えるまでも無かったと思います。住環境や交通この辺は会社が用意してくれるでしょう。
では、あなたが実際に本気で調べたものは何ですか。先任者やインターネットから入ってくる夢のようなパラダイス情報に心を躍らせたのではないでしょうか。正直なところ、男なら当然なのかも知れません。
着任して先任者からの仕事の引継ぎが終わると、早速、夜の引継ぎがあったのではないでしょうか。そして実際にKTV(個室チップ制カラオケクラブ)に行き、数百人の小姐(ホステス)が並ぶ光景に心を振るわせたと思います。先任者からは一般的な料金形態、遊び方、最低限の中国語を引継ぎ、先任者は後ろ髪を引かれる思いで帰任していったことでしょう。
全てがこうだとは言いませんが、これに近いものがあったのではと思います。そしてこの引継ぎには重要な部分が無いことに誰も気が付かないのです。それが魔都上海のハニートラップです。先任者がたまたま何も無かったのか、それとも被害にあったのに面子のために言えなかったのか。しかし一番肝心な引継ぎが無かった結果、魔の手があなたに忍び寄っているのです。
人間の体は毎日5000個以上の癌細胞が生まれ、体の免疫機能によって癌細胞は消滅しています。しかし何かのきっかけで免疫が一部機能しなくなると、突如として体は癌に侵されてしまいます。上海での生活はまさにこの情況に良く似ています。知識という免疫が無ければ、とたんに食いつぶされてしまうのです。日本という安全で平和で優しい人々の国で毎日一生懸命働き、妻と子供の幸せのために蟻のように働く日本人には、この免疫が弱いということがあります。そしてトラブルに巻き込まれ「まさか自分がこうなるとは思わなかった」と口を揃えて相談に来るのです。
日本からも近く、日本語、日本料理、日系スーパー、日本式娯楽が町中にあふれている上海では、ここが外国であることを忘れてしまいそうです。会社では日本語で会話し、家では日本のテレビを見る。錯覚するのは当然です。しかし、それでもここは外国なのです。日本の常識は通用しません。まずは、ここでは中国の常識しか通用しないということを自覚していただきたく思います。
外国で生活をすると、習慣の違いからストレスがたまるのは当然の事です。当然、娯楽に走ることでしょう。日本であれば海に行ったり、山に行ったりできます。しかし上海にはそう言ったものはありません。上海の娯楽は夜に集中していると言えます。そしてKTVに行くと日本語で若い女性が体を張って愛を口ずさんできます。当然、純粋な日本男児はその言葉を信じ「あなたは他の人と違う。あなたは特別」なんて言われたら、まじめな日本人は更にその言葉を信じ、はまっていくことでしょう。これが末期状態になると妻との離婚、退職して中国で独立なんて事になるのです。
ひょっとして皆さんはまだ中国人は日本人よりお金がないと思っていませんか。中国の農村に住んでいる人ならそうかもしれませんが、上海人や上海に来て夜の仕事を1年以上やっている中国人は、間違いなくあなたより資産家です。よく日本料理店でこんな会話を耳にします。おそらく夜の仕事をしている小姐と同伴の男女でしょう。女性は「私はすごく田舎の農村から来たの。親もお金が無くて大変」と言っています。すると日本人男性は「中国は大変だよね。文化大革命で知識人がいなくなって大失敗。天安門事件だって知らないでしょ。中国は国民に隠していることが多いから。日本は情報に関しては自由だから何でも知っている。南京大虐殺は……」と歴史話を永遠と話す。そして最後には「中国人の給料は日本の半分以下。物価の高い上海での生活は大変だよね。何かあったら言ってね。可能な限り助けるから」。私はいつもこう思います。「農村出身で中卒のKTV小姐に歴史の話をしても興味ないでしょ。それに使えるお金は少なくとも、銀行の中はあなたより貯金があるな」と…。
まさに中国人というものを理解していない日本人です。爆買いをする中国富俗層というニュースを良く見ますが、いいですか、このKTV小姐もその富俗層なのです。あなたより多くの外国に旅行に行っているのです。
これを読んでおそらく「ばかな日本人だなぁ。みんな知っているよ」と思ったことでしょう。そうなのです。みんな知っているのです。なのに恋というか愛というか、そういうフィルターを通してKTV小姐を見ると「この子は他の小姐とは違う」と勝手に思ってしまうのです。日本人男性とKTV小姐を絵にするとこんな感じでしょうか。
これらは全てとは言いませんが、この意識の差がトラブルの原因であることは間違いありません。これはKTV小姐のみならず、バーで知り合った女性も、道端で声をかけてきた女性も、Wechat(中国版SNSアプリ)で知り合った女性も、この可能性があるという意識を持つことがトラブルを防ぐ第一歩ではないでしょうか。相手も言葉巧みにあなたの心に入ろうとしてきます。疑うことは良くないことなのかも知れませんが、ここ中国では疑うことから始めることで守れるものがあることも事実です。「この子は他の小姐とは違う」ではなく「もしかしたらこの子も同じかも」と考えてみてはいかがでしょうか。自動車教習所でも「だろう運転は事故の元」と教わったはずです。だがこういう考え方はもっと心が疲れ、ストレスが溜まるかもしれません。しかしあなたは会社の看板と日本を背負って中国に来ているということを忘れてはいけません。自分と家族の未来のために、疲れるかもしれませんが自己防衛意識を高めてください。そして何の目的で中国に居るのか。会社はなぜあなたを上海に派遣したのか。こういう基本となる部分を考えて頂ければと思います。
つづく…STCCメンバーズにて…
次回予告:「KTV小姐の嘘と実態、KTVの内規」おたしみに…(お盆明けに公開予定)