大家さんが保証金を返してくれません!

●相談内容

 

以前古北のマンションに住んでいたのですが、契約満期を迎えこれを期に子供の幼稚園にも行きやすい場所に引越しをしました。

契約時2か月分の保証金1万6千元を入れたのですが、引越しの際、「されが壊れてるから修理する」とか子供の落書きを消さなけれがいけないとかで、「保証金はもうない」と言われました。確かに子供の落書きはありますが、修理に1万6千元も掛かるのでしょうか?

 

友人とで修理工を探し、見積もりをお願いしたら1500元でした。

 

大家に言ったら「うちの内装は専門の業者にお願いしている」と言われ、仲介も「話してみる」と言うだけで何も連絡がありません。

 

どうしたらいいですか?

 

●ご回答

 

保証金の問題は本当に多いです。しかし修繕費と保証金は別問題である事を認識してください

上海には「上海市房屋租賃条例」や「上海市房屋租賃管理法」もあります。

 

このような事例のみでなく保証金に関する問題は、管轄する派出所で話をすると99.9%戻ってきます。
中国公安は日本の警察と違い、民事紛争の仲裁もできます。派出所には仲裁室と言う部屋もあります。

 

過去の例を挙げますと

 

ある日本人経営者U氏の上海現地法人が倒産し、家賃が払えず追い出されました。部屋に戻ったら荷物がすべてエレベーターホールに投げ出されていました。

 

預けた保証金は2か月分で1万2千元。滞納は1ヶ月で、ちょうど満期を迎えていました。

満期の1ヶ月前、U氏は大家に満期で家を出ることは伝え、家賃が払えないので保証金から1か月分出してくれるようにお願いしていました。

 

大家は「家賃を入れたら保証金は戻す。」と言いました。確かにU氏は契約違反で違約金を払わなければいけない状況です。

 

そういう状況で当社に相談してきました。

 

契約書は大家が自ら作った契約書で、そこにはある欠点があったのです。それは契約者と家賃の受取人がちがく、これに関する契約者から受取人への委任状がなかったのです。おそらく税金対策だと思います。

 

つまり契約書自体が不備であり、違約金自体が発生しない状況でした。

 

当社はU氏を連れて管轄する派出所に行き、事情を説明。警官も契約書の不備を理解し、大家を派出所に呼びました。

 

警官は大家に契約書の不備を伝え、また、ある新聞の切抜きを大家に見せました。

そこには保証金の返還要求裁判の判例記事で、警官は大家に「いかなる理由でも、借方が居て、逃げたわけではない場合は保証金は返さなければいけない」と伝えてくれました。

 

結局大家は未払いの1か月分と未払いの光熱費を引いた金額をその場でU氏に返し、公安の仲裁書にサインをして帰っていきました。

 

このように今は昔と違い、保証金は戻ってきます。

中国語が出来る友人と共に、管轄の派出所に相談してみてください。

万が一、取り合ってくれなかった場合はご連絡ください。

取り合ってもらえるようにこちらから連絡します。