●情報
5月に入ってから縁むすび小姐による恐喝事件が連続発生しました。相談ベースで縁むすび7号店の恐喝が5件。これはいつものことなのですが、今回の特徴は縁むすび2号店の恐喝相談が突然10件を超えました。
そして恐喝のきっかけは2種類なのですが、恐喝方法、お金の受け取り方法が全て同じであったということです。
金額に多少ばらつきはありますが、方法はすべて同じという状況でした。そのため、今回は店名を名指しして、事件の概要を報告します。
縁むすび小姐の今回の脅迫相談件数は全店合わせて21件。そのうち同じ手法だったのが上記2店舗の小姐の恐喝になります。
◆恐喝のきっかけ
1、妊娠した。5件発生(縁7:2件、縁2:3件)
2、突然の別れ話。12件発生(縁7:3件、縁2:9件)
◆脅迫内容
妊娠の場合:
突然小姐から「妊娠した。どうする?」と電話が駐在員の勤め先の入り口から連絡が入る。
慌てた駐在員は話し合いをしてしまう。そして病院代と生活保障、賠償金として10万元から20万元請求される。
すでに会社の入り口まで来られて焦る駐在員は金額の交渉をしてしまうという状況でした。
別れ話の場合:
今まで何の問題もなく、喧嘩もなかった二人なのに、突然電話で小姐から「別れましょう」と一方的に告げられる。縁むすびでのワイン、シャンパン攻撃に疲れ始めていた駐在員は「わかった」と別れに同意。
すると小姐から「あなたは私で遊んだ。手切れ金払うのは当然」と言われ5万元から10万元請求される。
さらに会社名や名刺の写真が送られてきて、焦った駐在員は金額の交渉をしてしまう状況でした。
◆請求内容
両者共にものすごいスピードで展開し要求してきます。とにかく会社に関することが非常に早いのが特徴です。しかし乗り込んだりはしません。会社の入り口で電話したり、即時会社名や本社名、住所、名刺の写真を最初から送りつけて圧力をかけてきます。そして駐在員を精神的に追い込み、まいってくると小姐の方から提案が出ます。
「どうせ一括で●●万元は無理でしょう。なら毎月2万元から5万元の分割払いでいい」
と言ってきます。追い込まれて疲れきった駐在員はこれに同意してしまいます。
同意すると小姐から次の提案が出ます。
「毎月2万元なら1万元を現金で、残りは店で使って。5万元なら3万元は現金で、2万元は店で使って」と言ってきます。
10万元一括でも5万元は現金で、残りは店で使ってと言ってきます。
もうお分かりと思いますが、5月に発生した縁むすび小姐の連続恐喝事件は、小姐は全て違うにも関わらず、請求内容が全く一緒で、且つ、恐喝方法、展開スピードが非常に早く、駐在員を効率よく追い込んでいます。
そして今回の最大の特徴は、全てにおいて店に金を落とすように言ってきているところです。同じ小姐が複数人にやっているならわかりますが、別々の小姐がそれぞれの客にやっていて、そして共通して店でお金を使うように言う。
つまり何者かの指導があってやっているわけです。
妊娠の案件などは5件ともネットで拾ってきたエコー診断書を出してきておりました。
立証は困難ですが、ここまでくるとハニートラップではなく、完全な詐欺事件ともとれる行いです。
つまり店は売上、小姐は金を目的として情報を得た客に詐欺行為を働いていると推測できます。
またすべてが同じ内容ですから、当然元締めがいるわけで、その指示に従ってやっていることは明白であります。組織犯罪のにおいがします。
しかしこの詐欺の、そして組織ぐるみであることの立証は非常に困難です。状況証拠は間違いなく犯罪を示していますが、確証を得ることはできません。
したがって駐在員の皆さま、駐在員を抱えている企業は自己防衛に努めるしかないのであります。
犯罪性の高いKTVですから、一部企業ではすでにKTVへの公私に関係なく出入りを禁止しているところもあります。
会社のコンプライアンス、リスクマネジメントの観点からも、もう一度きちんと考えてみてはいかがでしょうか。
今回STCCに相談に来られた方は氷山の一角であると思います。水面下ではもっと多くの被害者が出ているかもしれません。
小姐の言う通りにお金を渡し、店で使えば、その実績から期日にはもっと大きな恐喝が待っていることは明白です。
自分の小姐は他とは違うと思うのではなく、社会人として海外での行動が適切かどうか、企業は社会責任として駐在員の行動が適切かどうか、再考いただければと思います。