小姐との同棲、恐喝行為等に関する人民法院裁判官の見解

●情報

 

春節期間中、長寧区人民法院の裁判官と食事をする機会があったため、昨今の小姐恐喝事件やその他小姐に関する事項に関して、裁判官としての見解を聞いてみた。

 

■小姐との同棲に関して

まず中国の婚姻法では配偶者のあるものが異性と同居することを明確に禁止しています。違法行為ではあるが刑事責任はない。そのため、二人の関係に関しては法的保護は一切なくなる。しかし片方が配偶者があることを隠して、異性と同居していて、相手方に妊娠、精神的苦痛、その他損害に関しては賠償請求できる。

そもそも配偶者が有るものが異性と同棲することは、公序良俗に反し、社会秩序を乱す者という解釈ができるため、それが外国人であれば、申し出があればビザに関して制限をかけることは可能との事。

独身同士の場合は自由恋愛なので、同棲自体は問題ないとのこと。

 

■小姐が要求する手切れ金に関して

どちらかに配偶者が有る場合、交際自体が婚姻法に違反しており、公序良俗に反する行為なので、小姐に請求する権利はない。

過激な要求に関しては現地公安の判断になるが、相手の不利益な事項を使って財物を略取試用とする行為は刑法で禁止している。ただこの場合、公安はこの刑法を使うことはほとんどない。実際は度が過ぎる場合は治安管理処罰法で行政処分罰金200元程度になるため、効果は非常に薄い。

そもそも男性側にも婚姻法違反という部分があるため、現地公安は手を貸さないのが現実。

元を正せば男性側が配偶者があって、女性と交際することも問題だが、KTVのような場所で勤務する陪酒小姐と交際すること事態理解できない。ある程度こうなることは覚悟しているのだろうから、自業自得では。法的には双方違法行為を行っているので、最終的には話し合い。小姐が民事訴訟してきた場合は、一般的には提訴棄却になるとの事。

独身同士の場合であっても手切れ金に関する法令はないため請求権はないとの事。

 

■同棲中に作った財産の分与請求する小姐に関して

片方に配偶者が有る場合、小姐との同棲で築いた財産は配偶者との共同財産であり、小姐との共同財産ではない。そもそも配偶者が有るものが小姐と同棲する行為が違法であり、反社会行為。またそれを知っていて同棲している小姐も同罪。いかなる請求であっても法的保護を受けることはできないとの事。

また分与を認めれば、事実婚を認める結果になり、重婚罪になる。重婚罪は刑事罰であり、2年以下の懲役になる。

独身同士の場合は法令では記されていないが、話し合いで決めるのがよい。また民事訴訟した場合は、双方も所得を考慮し分与割合を調整して和解するのが一般との事。

ただし違法な関係であっても、借用書のある正式な金貸借がある場合は、その返済に関して法的保護を受けることはできるとの事。借用書のないものは債権と認めないとの事。

 

■そもそもKTVは違法なのか

KTVの経営自体は違法ではない。ただし店内で女性が接待したり、衣服を脱いだショーを行ったりした場合はその現場にいる人は治安管理処罰法違反となる。また店は行政処分になる。

また日本人がよく言う「お持ち帰り」に関して、金銭の授受があった場合は売買春となり、当事者は治安管理処罰法違反となり行政処分罰金5000元以下か行政拘留30日以下になる。小姐を管理している店は組織売春として刑事罰になる。

KTV小姐に関しては「恋人だ」という言い訳は通用しない。KTV従事者に関しては売春等に関係なく、金銭授受があることが一般的であり、金銭授受があったことを前提で処罰するとのこと。

 

■麻薬に関して

中国では麻薬に関して厳格ではあるが、それは製造、輸送、販売に対して3Kg以上で極刑となる。

麻薬の使用に関しては治安管理処罰法違反程度となる。使用者に関しては行政処分罰金5000元以下、もしくは行政拘留15日。ただし使用がひどい場合は強制的に厚生施設に送ったり、小区居民委員による監視処分となる。外国人の場合は行政処分後、ビザを取り消すことがあるとのこと。

 

実際に話を聞いていて、現場の警察官と裁判官の法解釈に違いがあることを感じる。ただ聞いてて感じたことは、そもそも日本人側が法令を遵守し、公序良俗に反する行為、反社会行為をしなければ良いだけとも感じる。

日本にいた時、まじめに会社勤めをし、週末に飲んでいても、まさか自分が違法行為をやっているとか、公序良俗に反しているなんて考えたことはなかったであろう。

しかし、中国に来てKTVにはまると、違法行為、公序良俗に反する行為、反社会行為者というレッテルをつけてしまうのだ。自分は大丈夫であろうとKTVに行き、なぜか恋に落ちてしまう。これは小姐たちの金を稼ぐために培った技術なのかも知れないが、上記のような行為が違法であったり、反社会行為であるという意識を持てば、KTVでも正常な遊び方ができるのではないだろうか。

信号を守らない中国人を見て「常識ないな」と呆れ顔で見る機会は多いですが、もしかしたら自分たちも法令は違えど、信号を守らない中国人同様に違法行為をしてしまっているかも知れません。

すでにKTVでは日本人から金を巻き上げる行為は常態化しており、小姐達も「当然のこと」と言わんがごとく、当たり前のように要求、恐喝をしています。しかも罪の意識もなくです。

今後、更に酷くなることは容易に想像できます。なぜなら成功した小姐がいっぱいいるからです。

また学も知識も常識もない、言い訳と逆切れのプロであるKTV小姐に素人が法を語っても事態は悪化するだけです。

 

自分は大丈夫、自分の小姐はほかとは違うと考える前に、KTVの利用の仕方を今一度考えていただければ、被害を未然に防げると思います。

 

日本では普通でまじめ人だった貴方が、今、違法者、反社会行為者になってしまっているかもしれませんよ。