地域別KTV小姐による恐喝パターンと一覧2019

●情報

年末が近くなると急増するのがKTV小姐によるゆすり・たかり・恐喝です。

そこで地域別にそのパターンや公安等の反応をまとめました。

自己防衛に努めてください。

 

※ここに記載のパターンが全てではありません。実際に多くあった事件もとに総括として記しております。

※当記事には犯罪の手順等の一部内容が含まれております。SNS等への無断転載、無断リンク、陪酒小姐への閲覧を禁止させていただきます。このような行為を発見次第、スマホでのアクセス制限を掛けさせていただくと共に会員企業のみの閲覧と制限させていただきます。

 

◆北京・天津

不当請求金額:1万-10万(CNY)

被害者年齢層:48歳-60歳

恐喝小姐の年齢層:25歳-35歳

陪酒小姐との関係:持ち帰り、指名、自称恋人(不倫)

脅迫方法:持ち帰り小姐と金額を決めて持ち帰った後、その場で「もっとお金がほしい」と高額請求。使用済みコンドームを回収され、その場である程度のお金を渡しても、何度でも請求してくる。中にはその場で強姦されたと110番通報する小姐もあり。

恐喝行動:一般的には数回「会社に行くから会社の中で話そう」と言い、無視をすると本当に会社に来る。会社内では特に騒がず、受け付けや上司に「私は騙されました。和解交渉したいのですが、会ってくれないので会社に来ました」と丁寧に説明をし、 静かに会社内に居座る。応接室では本人ではなく周りや上司に一生懸命自分が被害者であると説明し、自分の味方になってもらい、周りが「金を払ってやれよ」と言わせるようにもっていく。

公安の対応:強姦による通報の場合はとりあえず男性を拘留する。脅しに対する相談や通報に関しては「二人の問題だから警察は関係ない。」と突き放される。

現地弁護士に依頼した場合:陪酒小姐の要求額の50%から80%で和解し小姐にお金を渡す。弁護士報酬は着手金で小姐の言い値の15%-20%。報酬は経済利益の30%

 

◆大連

不当請求金額:50万-200万(CNY)

被害者年齢層:40歳-65歳

恐喝小姐の年齢層:20歳-32歳

陪酒小姐との関係:自称恋人(不倫)

脅迫方法:「別れたくない。奥さんと離婚して」を連呼する。そして「もし別れるなら手切れ金として200万元。これは知り合いの不動産屋が必ず高くなるという物件があるから、その家を買いたい。買った後で値段が倍以上になったら売却するから、そこから私は青春代として30万元もらって、170万元を返す。もし別れないなら二人で儲けよう」と言う。当然お金が返ってくることは無い。

恐喝行動:家の立て籠もりと監禁。

公安の対応:二人の問題なので警察は何もできないと拒否

現地弁護士に依頼した場合:相談料だけ取って「無視するしかない。そのうち出て行くだろうし、外出したら鍵を交換して無視すればよい」とだけアドバイス。

 

◆青島

不当請求金額:10万-100万(CNY)

被害者年齢層:30歳-45歳

恐喝小姐の年齢層:25歳-35歳

陪酒小姐との関係:自称恋人(不倫)、月極買春契約(5000元-10000元)

脅迫方法:家でも、外でも、会社でもとにかく大声で「私は騙された」とわめき散らす。勢いで畳み掛けるタイプが多い。周りの話しは一切聞かず「第三者は関係ない」と言い張る。会社への乗り込みは毎日のように来て騒ぐ。相手が根負けするのを待つ。

恐喝行動:予告無く会社への乗り込み騒ぐ。家ではテレビ等を破壊する。喫茶店や料理店で話す場合は大声で泣きわめき、料理やコーヒーをぶちまける。殴ったり、物を投げつけてくることもある。

公安の対応:駐在員が殴られたり物を投げつけられて怪我をした場合でも、一応話を聞く。数十分経つと陪酒小姐の店の同僚や友人がやってきて加勢。陪酒小姐は騙されて居ると主張し、ある事ない事を警官に言い、警官は日本人に金払って終わらせた方が良いと提案してくる。

現地弁護士に依頼した場合:陪酒小姐の要求金額の50%程度で和解。

 

◆無錫

不当請求金額:10万-20万(CNY)

被害者年齢層:30歳-40歳

恐喝小姐の年齢層:28歳-35歳

陪酒小姐との関係:月極買春契約(8000元-20000元)

脅迫方法:「私はあなたに騙された。あなたが浮気した。」など、すべてを相手のせいに持っていき、高額請求。

恐喝行動:オフィスビルの場合は事前予告後に会社に乗り込む。工場の場合は「会社に行く」と言うが、実際には来ず、深夜家にやってきてドアを叩き、朝まで玄関前で待機。出勤のために出てきたところを捕まえて殴るけるの暴行。そのまま部屋に入り込み立て籠もりと監禁。

公安の対応:日本人が110番通報した場合、そのままパトカーに乗って2人で派出所に移動。仲裁室に入れられて、話が終わるまで監禁。陪酒小姐の兄と名乗る者が来たり、友人女性が来て陪酒小姐の正当性を主張。警官はそれらの話しを元に、「お前も悪いところがある。詐欺で拘留することもできる。お前日本人だからお金あるだろ。お金渡して終わりにした方が良いと思う」と日本人を説得してくる。

現地弁護士に依頼した場合:彼女の言い値で和解して、「これ以上、会社に来られたりしたら貴方の将来が無くなる。ここはお金を渡して自分の将来を守った方が良い」と言う。報酬は「将来の損失を守った」と言い、約5万元から8万元を請求される。しかし無錫の場合、和解書を作成してもそこには彼女の日本人に対する行動要求も書いてあり、1か月後に「あなたは和解内容を破った。また中国の女性を騙してる。私は精神的に傷ついた」と主張し、再度高額請求される場合が非常に多い。再度弁護士に相談すると「無視してればよい。もし良かったら民事訴訟を起こしますが、またお金がかかりますよ」と言われる。

 

◆常州

不当請求金額:10万(CNY)

被害者年齢層:25歳-40歳

恐喝小姐の年齢層:30歳-40歳

陪酒小姐との関係:自称恋人(不倫)、月極買春契約(5000元-10000元)

脅迫方法:いかなる状況でも「あなたが悪い。私はあなたに騙された。だから別れる。私はあなたのために頑張った。私の青春に対して賠償するのは当然」と主張し10万元要求。拒否すると「私を怒らせたらどうなるかわかるよね。明日会社で話そう」と言い出す。

恐喝行動:友人と名乗る女性(某スナックのママ)と共に会社に乗り込み、友人が主導で話だし、上司を呼び出す。上司を説得して上司から「金を払って終わらせろ」と言うようにもっていく。日本人社会が小さい為、上司も自称友人を知っている場合が多く、自信も秘密を握られているため、自称友人の言いなりになってしまう。その為常州では上司(総経理、董事長)の被害は少ない

公安の対応:自称友人の存在を公安は知っているため「二人で話し合え。警察に来られても何もできない」と突き放される。

現地弁護士に依頼した場合:ローカル弁護士は受付拒否。日本人向け弁護士は小姐の言い値で和解。無錫同様、将来の損失を守ったと主張して報酬請求

 

◆蘇州

不当請求金額:10万-30万(CNY)

被害者年齢層:30歳-60歳

恐喝小姐の年齢層:30歳-40歳

陪酒小姐との関係:自称恋人(不倫)、月極買春契約(8000元-20000元)

脅迫方法:とにかく相手のせいにして「私は騙された。絶対に許さない。別れたいなら金払え」と主張。

恐喝行動:ほとんどが深夜自宅に乗り込んできて、玄関前で大騒ぎ。中には非常階段に設置の消火器でドアノブを破壊。一通り騒いだ後に自ら110番通報。通報内容は「日本人に騙された」や「日本人が私の物を盗んだ」。その後、パトカーで派出所へ。一応、警官は双方から事情を聞くが、警官は日本人に「お前はわかってるだろ。お前も中国人女性で遊んだのは事実だよな。日本人なんだからお金持ってるだろ。金払って終わらせろ」と言い、彼女の要求金額は高すぎるから俺が交渉してやる。いくらなら払うか?」となり5万元程度と言うと「それでは彼女は納得いかない。」となり要求金額の50%から70%を押し付けてくる。この警官の提案に同意しないと、ずっと派出所から出られなくなり、警官も陪酒小姐も日本人が根負けするのを待つ。夕方になると警官が「もういい。50%で和解しろ。それなら彼女も納得すると言ってる」となりお金を渡して解放。

現地弁護士に依頼した場合:新区は基本的に受付拒否。園区も拒否が多いが、受け付けても言い値もしくは言い値の80%で和解し、差額のと将来の損失保護を理由に数万元請求される。

 

◆上海

不当請求金額:10万-150万(CNY)

被害者年齢層:縁グループ25歳-38歳・45歳-64歳、月グループ:35歳-60歳、その他:45歳-65歳

恐喝小姐の年齢層:自称27歳-32歳。実年齢は32歳-45歳。

陪酒小姐との関係:月極買春契約(8000元-25000元)

脅迫方法:まずは毎月5000元-8000元を要求し「私は他の子とは違う。あなたを愛しているから安くていい。5000元だったら他に店で最低5000元使って。領収書があれば大丈夫でしょ。8000元だったら月末に売り上げが足りなかったら助けてくれればよい。恋人なんだから助けるのは当然だよね」からスタート。最終的により金をとれる客を捕まえ、前の客が邪魔になったり、別れることになったり、帰任が決まると「あなたが浮気した」「あなたはもう私の事が嫌い」「あなたは私を助けてくれない」「あなたが私を騙した」「妊娠した」などとにかくすべてを相手のせいにした後に高額請求。拒否すれば「あなたが悪い。だから会社にバラす」や「奥さんに話す」となる。

恐喝行動:店舗やグループによって差があるのが上海の特徴。

縁グループの場合、月極買春契約後「家を出なければいけない。友達の家で同居するけど、自由が無いから貴方の家に行ってもいい?料理も掃除もできるからいいでしょ。と合鍵を手に入れる。その後週何回家に行くから毎月20000元にしてとなり、相手の様子をうかがう。拒否すれば怒り出し脅迫めいた発言。そして値引きして15000元に着地させる。また数か月経つと毎月20000元-25000元に値上げしろと言う。この時「もう店に来なくてもいいから。それなら大丈夫でしょ」となり拒否すれば「私を騙した。別れたいなら帰任までに私がもらえるはずだった毎月のお金と慰謝料20万元を一括で払え。となりWechatで自撮りした会社の写真や日本の住所、奥様の電話番号を送ってくる。お金の要求や会社に行くぞと言う発言は絶対にメールを使わずに電話で言ってくる。無視をすると「あなたが心配になったから」と会社に乗り込んでくる。同時に同僚や田舎の知人に頼み部屋を占拠。希望額が出るまで籠城と会社訪問を繰り返す。最近では家での立て籠もりが増えている。ここの陪酒小姐の場合、会社乗り込み予告から最短で3時間と乗り込むスピード重視型。周りに相談をする時間を与えないのが特徴。会社では現地社員に「強姦された」「妊娠させられた」「騙された」などを言って騒ぐ。工場の場合は「○○に騙された。絶対に許すな」などのプラカードを作成し、工場の門の前でプラカードを掲げる。同時に同僚や田舎の知人に頼み部屋を占拠するのは同じ。

月グループの場合:月極買春契約が成立すると、理由を付けて合鍵を要求。部屋の掃除や料理など理由にする。その後、単発で「田舎で買ったマンションのローンが払えない」や「親が病気になった」「弟の学費」「友人の結婚」「旧正月の仕送り」などを理由に金の出具合をチェック。大抵はここで金を得るので、陪酒小姐の中では「イケる」と言う判断になる。その後、単発の要求を繰り返し、額も大きくしていく。拒否すれば激怒し、発狂する。時には「別れ話」を持ちかけ、相手の出方を見る。これらの行動に妥協すると陪酒小姐は「落ちた」と判断し、月額要求が高騰していく。月25000元までになるともう限界となり、数か月間25000元をもらって様子見。これ以上無理だと判断すると、陪酒小姐から別れ話をする。その際に向こう1年分の月極金額を一括請求し「私はあなたのためにここまで頑張った。あなたは私の体で遊んだ。これくらいは当然だ。友達の彼氏は20万元払ってた。日本人は真面目でしょ。私だけ可哀想」と請求する。拒否をすると発狂し泣き出すことが多い。そして泣きながら「奥さんに話す。この番号でしょ。私は何でも分かるから」となる。会社への乗り込み話は少なくなってきている。中には「日本に一時帰国した時に借金すれば」と提案する小姐もおり、日本のサラ金事情も詳しい。実際に借金し破滅した駐在員も多い。

その他KTVの場合:月極買春契約後は数か月おきに値上げ交渉。限界が来たところで発狂し「会社に報告する」となる。その後も「会社に報告する」「会社で話そう」をメールで繰り返すのみ。無視を続けるとそのうち兄と名乗る男性中国人から電話やWechatが来るようになる。実際は店の黒服である事が多い。そしてその兄と会社に実際に来る。ただし暴れたり騒いだりはしない。事務所の前で何度も日本人の名前を大声で呼び続ける。現地社員や周りの会社の人がどうしたのかと出てきて、事情を聞こうものなら「この会社の○○に強姦された」「騙された」などを風潮する。数時間粘った後に帰宅し、電話とメール攻撃。「私は止めようと言ったけど、兄が怒ってて止められない。今度は本社に連絡すると言っている」となる。

公安の対応:基本的に民事を理由に受け付けない。どちらかが110番した場合は以前はとりあえず派出所に2人とも連行し、仲裁室に入れて「二人で話し合え」となる。最近では警官が来た後、怪我や物損、暴行の事実が無ければ「110番事案ではない。政府12345に電話しろ」となって帰る。陪酒小姐による物損、怪我がある場合は110番通報に限り派出所に連行され、別々の部屋で事情聴取が始まる。怪我している場合、警官は「病院に行くか?まぁ行っても微傷だから彼女を処分しないけど。どうする!?そもそも二人の問題だろ。」と勢いよく言われる。物損の場合は「どうしたいんだ?賠償か?二人の事だから二人で話し合った方が良いのでは」と提案される。 その後、病院に行っても、賠償を求めても同じで、別室で事情聴取が続き、日本人の方に「彼女は10万元払ったらもう何もしないっているけど、どうする」となる。「怪我しているのは俺だしそんなのおかしいだろ」と言えば、「そもそもお前が悪くて彼女が怒ったんだろ。お金払って和解すれば終わる」となり「いくらなら出してもいいんだ」と聞かれる。それに対して例えば「3万」と言えば、警官は彼女のいる部屋に行き「3万なら払うと言っている」と伝える。しばらくして戻ってきて「3万ではダメだと言っている」となり、こんな金額交渉が続く。大体5万から8万でまとまり、治安案件当場調解協議書を作成し、和解内容と条件を記してサインとなる。

日本人の間隔では脅迫行為や怪我、物損の場合、刑事事件として相手を捕まえてくれるはず。証拠の写真や動画 、録音があればと思うかも知れないが、中国ではこれらは行政処分の範囲内なので、相手を逮捕することはない。仮に処分しても行政拘留5日か罰金200元程度に終わるため、処分を科しても陪酒小姐の行動を止める効果は無いと考えるのが上海公安。それよりはある程度の金額で治安案件当場調解協議書で相手の動きを抑えた方が良いと考える。但し怪我も骨折まですれば刑事拘留してくれるし、外傷が軽微でも尿検査で血液が検出されれば刑事拘留となる。また、暴行でも家族帯同できている配偶者や子供に手を出した場合は、彼女のお金の要求を無視して治安案件当場調解協議書を書いてくれる。物損の場合は損害額が3000元以上あれば行政拘留してくれる場合もある。

現地弁護士に依頼した場合:ローカル弁護士は受け付けない。日本人個人向けの弁護士事務所の場合、相談料で数千元。それでもほぼ陪酒小姐の言い値で和解。良くて50%-80%で和解し、差額と将来の経済利益と称し数万元請求。陪酒小姐も弁護士が来れば少なからず金が入る事を知っているため、要求額を釣り上げたり、弁護士が意図的に要求額を釣り上げさせて、最初の要求額で和解し、経済利益を多くする場合がある。日本人弁護士は中国国内では弁護士活動ができない為、ここでは論外とする。

 

◆広州・シンセン・東莞

不当請求金額:0万-30万(CNY)

被害者年齢層:32歳-50歳

恐喝小姐の年齢層:30歳-40歳

陪酒小姐との関係:自称恋人(不倫)

脅迫方法:「奥さんと別れて私と結婚するって言ったじゃん。いつ離婚するの」というパターンが多く、奥さんを取るのか私を取るのかという話に持っていく。離婚できないというと「私は騙された。私にはあなただけ。お金はいらないから私と結婚してほしい」言う。それでも結婚できないというと「私は騙された。奥さんと離婚してくれるなら何も要求しないけど、離婚しないなら青春賠償として…」と高額請求になる。そもそも離婚しないのをわかっているからの言動であり、実際にじゃあ離婚するから結婚しようと言っても「離婚してからもう一度話し合おう」となったり、本当に離婚すると「ごめん貴方の気持ちは嬉しいけど、親が日本人とはダメだと反対していて結婚できない」となる。

恐喝行動:基本的には駐在員の部屋で離婚か結婚か、結婚しないならお金という話し合いを朝までやられ、それが毎日続く。 その後、兄と名乗る者が現れ電話してくる。無視すると自称兄からSMS等で会社名や会社の写真が届き、会社に報告もかねて話し合いに行くと言い出す。実際に兄と名乗る男が大声で会社に複数人で入ってくる場合もあるし、陪酒小姐人だけが会社に入ってきて「兄は外で待ってる。外で話すか?兄抜きで私とここで話すか?」となる。

東莞の場合は工場内に詐欺集団が入り込んでいる場合があり、不正を排除しようとする日本人管理者をハニートラップにかけて追い出す行動に出る。相手の要求は帰任であり、それを無視すると集団である強みを活かして、一晩のうちに町中のKTVのエレベータ内やBARの入口、工場周辺の外壁に顔写真、名刺、社名などを出して、「この日本人は中国から出て行け。中国人女性を玩具にする大悪人 」などと記されたビラを貼りだす。工場の従業員の出身地で湖南省出身者が地元や他省と比べて異常に多い場合は要注意。

公安の対応:基本的には受け付けない。第三者が攻撃してきた場合は排除はしてくれるが、それで終わる。ただしシンセンでは実際に手切れ金を渡した後、女性の主張が全て嘘だったを事を自身で証明し、証拠を経済刑事に提出し、日本料理店店主の女性を詐欺罪で逮捕した実績もある。

現地弁護士に依頼した場合:相談は受け付けるが、対応は拒否する。

 

◆番外編

上海では日本人が日本人を脅迫する事件が発生した。

日本人男性Sが経営するWechat等のサイト制作や公式アカウント制作を生業とするIT企業に、現地採用で営業職を勤める日本人女性Nがいる。Nは日本人会等で名刺交換した会社にWechatの広告の提案営業をしている。ある日、Nは某日本人会で知り合ったA君と名刺交換し、A君の会社に営業に行った。しかしA君の会社はすでにWechatの公式アカウントを独自で持っており、Nからの営業は断る形となった。しばらくするとNからA君に連絡が入り食事に誘われた。A君は契約はできない旨を伝えて断ったが、Nは営業ではないと言うので食事をすることになった。その後もNから誘いがあり、何度か会ううちに俗に言うBくらいまでの関係に発展した。当然NはA君が既婚者であることを知っている。

しばらくすると会社にSが現れ「A君はいるか」とA君を呼び出す。そして「大切な話がある。ここでは話せないから」と喫茶店に移動する。

喫茶店に入るとSは「君がうちのNに何をしたかを全部知っている。既婚の身で何をしてくれたんだ。このことは君の会社にも話すし、マスコミにも公開する」と言い出す。

何のことかわからないA君は「Nは知っているけど、何のことですか」と尋ねる。Sは「このことだよ」とNのスマホのWechat会話画面を撮影した写真を見せ「これだよ」と言う。

A君は「どうしたいのですか」と聞くとSは「このことを会社やマスコミに言う」と言う。パニックになったA君は「それはやめてほしい」とSに伝える。Sは「やめてほしい」という言葉を待っていたかのようにすぐに「じゃあどうする」と言う。A君は「お金ですか」と聞くと、Sは「そういう解決方法もある」と言う。A君は「いくらですか」と聞くと、Sは「10」と言った。A君は「日本円ですか」と聞くとSは「人民元に決まってるだろ」と言った。その後Sは「このことは絶対に誰にも言うなよ。○月○日もう一度来るから、その時にお金を受け取る」「あと今私の目の前でNのWechatを完全削除しろ」と言い、削除を確認すると帰っていった。

A君は事務所に戻り、上司に相談。そこで上司からSTCCに相談してみろとなり、相談が来ることになる。

明らかな脅迫事件であり、1元も渡す必要はないというのは明白。しかしSが乗り込んだ時の会話は録音されておらず、Nとの会話も削除され、証拠が何もない状態。

そこで打合せを行い、お金を取りに来る日に証拠を得ようと提案。同時にSに関して調査を行い、その素性、出身地、経歴などを調べ上げる。

受け取り当日、A君と私は約束の30分前に喫茶店に入店し、A君にはICレコーダーを渡し、私は近くの席で客の振りをして隠しカメラを設置して待機。そこで再度理由と要求金額を引き出し、また払わない場合にどうするかを聞くように伝える。

時間になるとSが現れた。周囲を見回したSはA君の席に座る。するとすぐに周りを見回し、向こうに行こうと席を変える。そこで数十分間話した後、また周りを見回し、今度は私の席の近くの場所に移動してきた。決して何かに気が付いているのではなく、明らかに何かを警戒しての行動だ。

近くの席に来ると声もかろうじて聞こえる。そして改めてお金の要求と脅し言葉を発した時、A君から合図が来た。

そこで私がA君の席に座り、A君を私の居た席に移動させた。Sはとっさに立ち上がり帰ろうとしたが、待つように言い席に座らせる。Sは「なんですか」と聞いてきたので、「何ですかじゃないよ。お前がやってる脅迫行為に関してだよ」と伝える。Sは「脅迫なんてしてない。意味わからない」と言う。そこでA君を呼び、ICレコーダーを出してもらう。ビデオカメラとICレコーダー、委任状を提示しここからは私が話をすると委任状の内容を読み上げた。Sは「もういい。脅迫と言うなら警察で話そう」と開き直る。私は「警察に行ってもいいけど、行ったらそのまま刑事拘留だから。拘留してから警察は捜査することを知ってるだろ。」と伝え、再度席に座らせた。

私はまず「10」ってなんだと聞くとSは「10とは言ったけど10万元とは言ってない。10はこの前のコーヒー代だ」と笑えることを言い出す。

私は「これはSの単独か、それともNと共同の犯行か」と聞くと、Nは関係ないという。

それまで私はこの部分を一番の疑問に思っていたところだ。Sの単独なのか、単独でも契約を理由に性的要求をA君がしたと勘違いしているのか。それともNも共犯で美人局的な脅しなのか。大の大人二人の事でSが出てくる理由が本当にわからなかった。

しかしSは「Nは知らない」と言うだけで、なぜSが出てくるのかを話さない。

そこで私はSの目の前でNに電話し、事情を話した。Nと話した感じではNは本当に何も知らないようだった。ただNのスマホの画面をSが持っているのも事実。疑問が残ったが、Sの単独犯として話を進めていった。Nから警察沙汰はやめてほしいと言われた私はそれを利用した。その後、調査結果等も交えて1元も払うつもりはない事なども伝え、内容や方法は私の武器なのでここでは公開できないが、最後にSは「わかったもういい。もう何もしない」と約束し帰って行った。

その後は何も起こってないので、これで解決なのだが、日本人が日本人を脅すという珍しい事件があったので、こういう事もあるという意味でここに記す。

 

 

今回地域別で小姐のゆすりやたかり、恐喝を記しましたが、これらは実際にあった相談や、事後連絡、実際に私が対応した案件などを元にしております。

まず言えるのは陪酒小姐と買春契約している場合、そのほとんどが何かしらの金銭トラブルになるという事。部屋に陪酒小姐を入れたり合鍵を渡すと、最後にどうにもならなくなってしまうという事。

そして何より、これを読む人は必ず「他人の不幸は蜜の味」ではないけど、これを笑い話、バカ話と捉えがちですが、実は被害に遭った人たちのほとんどが、同じことを考えてSTCCを見ています。そしてどのような状況でも「自分は大丈夫」と言う正常性バイアスが先行し、自分の都合の良い解釈を行ってします。こういう行動は心理学でも脳科学でも証明されているので、どうすることもできません。

その結果、自分の解釈を優先してこういう発言につながっています。

 

公安に言えば大丈夫。陪酒小姐の個人情報を持ってれば脅されない等、日本的な思考で安易に考えている人が居るようですが、実はそれは大きな間違いで、公安は何もしないし、どちらかと言うと同胞である中国人女性の方に味方する傾向にあります。その理由に治安管理処罰法という日本にはない法律があるからです。

多少の喧嘩、揉め事、物損、窃盗、売買春などはこの法で処理されます。つまり警官が独断で判断できるものなのです。日本なら喧嘩なら傷害罪にしたり、脅しも脅迫罪というように刑法で判断し、裁判官がジャッジしますが、中国においては人口が多く、揉め事が多いことからこれらの犯罪は行政でジャッジできるようになっております。行政でジャッジするという事は双方の言い分や証拠を検証する時間もなく、その場で判断するという事です。ですからここでは「日本なら」という言い分も、日本の理屈で「警察に通報すればよい」と言うのも意味が無いのです。

 

よく法的にとかいうか人がいますが、法は第三者が使って初めて効果を持ちます。本人がどんなに法律を語っても逆上されて、結果的に行動がエスカレートします。また法より陪酒小姐の行動の方が早いのが現実です。「こんなのは違法だ。すでに弁護士に相談している」なんて言えば、陪酒小姐は「だから?どうぞ弁護士を使ってください。私は明日会社に行きます。」となり行動を早めてしまいます。また自分で駆け引きしようとすれば、相手はプロ。いいように丸め込まれたり、一歩も引かずにただ自分の要求を言うようになってしまいます。そして要求がかなわなければ過激な行動にでる。

 

さらには陪酒小姐の個人情報を入手すればよいという人もいますが、それがあっても陪酒小姐は動じません。なぜなら彼女たちは金はあってもすでに社会の底辺にいる人たちであり、人生を変えるために必死であり、そのために必要なのが金であって、信用ではないからです。

昨今では親に秘密にして上海でKTVで働いてる陪酒小姐はほとんどいません。陪酒小姐は日本人には「家が貧乏で、親に内緒で」と同情を買うために嘘を言うでしょうが、上海に来て数年で田舎にマンション買ったり、高級車に乗ったり、ハイブランドを身に付けていて、親が知らないわけがありません。当然Wechatは親ともつながっています。シャンパンタワーやドレス、KTV個室内の写真。同僚との旅行の写真も見るわけです。日本人で奥さんともWechatがつながっている状態で、シャンパンタワーや旅行、小姐からのプレゼントの写真を出しますか?出しませんよね。秘密にしている場合は出さないのですが、陪酒小姐はシャンパンタワーも上海蟹旅行も、お寺への旅行も、客との日本食もWechatに出している人が多くいます。つまり今の小姐は親に秘密にしていないという事です。

 

身分証のコピーを持っていても何ができますか?わかるのは本名と生年月日と出身地だけ。それで訴訟を起こしますか?何を主張して訴訟を起こしますか?裁判官は陪酒小姐に言うのと同じように、不倫関係にある日本人にも「二人の関係は反社会的関係。公序良俗に反する関係であるから請求は無効」と言います。

つまり双方とも個人情報を取られて脅した場合、小姐には失うものが何もなく、日本人には失うものが大きいという事です。会社に乗り込まれても大丈夫と言う人が居ますが、現地社員がそれを見たらどう思うでしょうか。中国人の性格なら、二度とその日本人を尊敬しないし、命令も聞かなくなるでしょう。

中国人もよく知るメーカーなら、ブログに出されただけで不買運動につながる可能性もあります。

解雇されなくても帰任は必須であり、突然帰任した旦那を妻はどう思うだろうか。また解雇までなくても社内での信用は地に落ち、周りからは白い目で見られ、出世は無くなるでしょう。

日本人は一度信用を失えば、その損害は将来にわたって大きなものになります。さらにネットに書かれればそれがデジタルタトゥーとなり、生涯ついて回ります。

 

一方、陪酒小姐はどうでしょう。社会保険も無く、今では田舎で結婚出産し、出戻りで上海に来ている人がほとんどです。そんな彼女たちが求めるのは信用ではなく、お金なのです。

陪酒小姐に脅されないようにあれこれ議論する人もいますが、失うものが無い相手にその議論は無意味であり、信用を失ったら終わってしまう日本人は圧倒的に弱い立場なのです。

今現在、陪酒小姐と交際している人も、これから買春契約をする人も、そうでない人も、今一度、脅迫している陪酒小姐と自分が指名している陪酒小姐を比べて、少しでも似ている部分、同じような発言、怒った陪酒小姐のわがままや要求に屈したことの有無を見て、少しでも早く対応や線引きができるよう、自信に降りかかるかもしれないリスクを最小限にできるように心がけてください。一時の快楽で一生を失う可能性があるという事を忘れないでください。

 

中国ではどんなトラブルでもそうですが、相手に悟られずに準備するという事、自分で何とかしようとせず、周りの力を借りること、そしてある日突然一気にやるという事がもっとも効率良い方法です。

陪酒小姐も本音を言えば会社には行きたくないのです。立て籠もりも面倒で疲れるのです。ドラマやバラエティ知識だと、法的とか今後の対応方法を相手に予告するという行動に出がちですが、これは実際の現場では逆効果です。特に中国では絶対にやってはいけないことなのです。

 

また昨今では番外編に記したように、日本人だから大丈夫と言うことは無くなりました。

以前は日本に中国人が来て働き、オーバーステイや不法就労、犯罪を犯していました。

しかし今では日本人が中国に来て働き、中には虚偽の内容でビザ申請したり、不法就労しているのをよく見る時代になりました。

経済面を見ても、昔は中国人が日本に行って中国料理店を開店させていました。

今では日本人が中国に来てBARや日本料理店を開店させています。

 

このように時代の変化と共に人の流れも変化してきました。当然陪酒小姐のお金への欲求も大きくなっています。中国で社会保険が重要になってきたのはほんの最近の話しで、70後、80後の陪酒小姐は保険に加入せず、目の前のお金を追及してきました。保険が期待できないこの世代の陪酒小姐は自分や家族を守る手段はお金しかありません。

こんな中にいて、日本で普通の生活をし、普通に学校を卒業して会社に勤め、飢え死の心配も無く、医療保険が充実し、救急車も無料の中で育った日本人が、自分と自分の家族を守るために命がけで金を求める相手に、ドラマやバラエティで知った知識のみの日本人が勝てるわけがないのです。

 

KTVで遊んでもよいし、不倫が良いとは言いませんが、好きにっても良いのです。重要なのはKTVで遊んでも、社内不倫をしても、きちんと線引きをすることです。

脅迫される人とされない人の差は紙一重です。たったの紙一重ですが、快楽に流される状況下ではこの紙一重は大きなものです。

中には脅されるなんて宝くじに当たる確率と言う人もいます。飲酒運転で検問で引っかかる確率と言う人もいます。

しかしこれは確率論ではありません。実際に被害者が多数出ている事実と、自分も被害に遭う可能性をしっかり考え、線引きをすることが大切だと思います。

どうしても確率を出せと言うなら、閉店15分前の確変中のパチンコ台と言ったところでしょうか。閉店前に当たりを引けば恐喝に遭うし、閉店まで当たらなければ無事に帰任といった感じです。

 

久々に陪酒小姐問題を書きました。これは昨今は隠れ恐喝被害者が多いからです。つまり本当にお金を渡してしまい、周りに何も言わない人が多いのです。これらは陪酒小姐の中では成功実績となり、周りの陪酒小姐が共有するばかりでなく、被害者を増やす結果につながります。また会社に乗り込まれ強制的に帰任し、日本に帰ってからも脅され続けている人や、自分で何とかしようともがき、交渉し、もう手遅れだろという状況で相談される人が増えてきているからです。

 

対策方法は正しい線引きと、早い時期に気が付き、周りの人や事件対応のプロに相談することです。

相手はスーパーのお菓子売り場で座り込み、駄々をこねる幼児と同じだと思ってください。

幼児のわがままに屈してお菓子を買えば、それを成功例と認識し、同じことを繰り返す。同じ駄々でだめなら今度は更にエスカレートして泣きわめく。一度でも要求、いや欲求に屈すればエスカレートしていく一方です。幼児なら大人になるにつれて、わがままに育ちますが、ある程度の常識を持つようになるでしょう。

しかし大人になってから幼児と同じことを覚えた者は手におえません。

 

しっかりと考え、きちんと線引きができるように心がけ、リスクを少しでも減らせるように心がけてください。

 

 

※※当記事の無断転載、無断リンクは硬く禁じております。

Wechatはもちろん、LINE、ツイッター、フェイスブック等も含めたSNS、いかなる運営会社のブログ、掲示板、ホームページへの転載も禁止しております。また記事をスクリーンショットした画像の配布や発信も固く禁じております。

今後も適切な情報を中国で滞在する日本人に発信するため、無断転載、無断リンクに関するSTCC規定をご理解下さいますようお願いいたします。

無断転載、無断リンクに関する注意はこちら→「上海STCCの無断転載、無断リンクに関して