彼女?の家族が新型コロナに感染したから治療費を助けてと言われたけど…

●情報

新型コロナウイルス拡大防止の一環で多くの娯楽企業、施設が営業停止となっております。

スナックやBARなど、店の社員として勤めている場合は給与補償などがある場合がありますが、いわゆるKTV(女性を選んで接客させるタイプ)の女性は社員ではない為、給与補償などは一切ありません。

その為、無収入状態が続いており、少しずつですが、全く同じ内容の金銭要求メールが出てきており、同様の相談が数件あります。

 

◆具体内容

駐在員Aさんは某日式大型KTVチェーンの女性と店で知り合い、お金を払っての不倫関係(月極契約・愛人契約)をしていました。

その女性は春節前に帰省。その後、新型コロナウイルスが拡大し、店が営業停止なため、そのまま故郷の実家にとどまることになりました。

Aさんとは毎日連絡し合い、1月末も約束の15000元もWechatで支払っていました。

2月17日夜、この女性からWechatで連絡が入りました。

内容は

「親が新型コロナに感染した。緊急の治療が必要で10万元必要。お金がないと治療が受けられず隔離されるだけで死んでしまう。助けて」と

Aさんは慌ててWechatのテレビ電話で電話するも女性は出ない。音声電話も出ない状況でした。

すると女性は「田舎だからWiFiがない。電話はできない」とメールが来ました。

Aさんは「詳しく教えて」とメールすると女性は「疑ってるの!親が死ぬかもしれないのに!」と怒りのメールが。続けて「あなた彼氏でしょ。なんで助けてくれないの。私お金無いの知ってるでしょ 。他の女の子の親も感染したけど、彼氏は何も聞かずに20万元送ってくれた。」とメールが来ました。

Aさんは「10万元をすぐに用意できない」と返すと女性は「なら5万元でも良い。とにかくお金を用意しないと親が死んじゃう」と怒ってメールしてきました。

Aさんは「Wechatで送ればいいの?」と聞くと女性は「あなたのWechatでは5万元送れないでしょ。銀行に振り込んで。でも私の銀行カードは上海に置いたままだから、田舎の表妹(従姉妹)の口座に振り込んで」と見知らぬ名義の口座番号が送られてきました。

上海に来て1年未満で、しかも会社の命令で日本にいるAさんはネットバンキングでの振込み方法も良くわからず、どうしたらよいかわからなくなってSTCCに相談メールしてきました。

 

◆検証

実は「親が新型コロナに感染した。緊急の治療が必要で10万元必要。お金がないと治療が受けられず隔離されるだけで死んでしまう。助けて」という全く同じ文面のメールを受け取ったという相談が、ここ数日で数件報告があります。全て同じ某日式大型KTVチェーン店の陪酒小姐達です。

どうやら仕事ができず、金を得るための方法として「親の新型コロナ感染メール」が流行っているようです。

そしてこういうのが流行るという事は、すでにお金を手に入れた陪酒小姐達がいるという事です。

STCCにあった相談件数は数件ですが、STCCだけでもこれだけあるという事は実際はかなりの量の「助けて」メールが広まっていると思います。

 

では実際に新型コロナウイルスに感染した場合、それほどの高額な治療費が発生するのかという疑問もあります。

その答えは「治療費はゼロ」です。

国家医保局は発表では「新型コロナウイルス感染の診断と、確定診断を受けた人の治療は全て無料」となっております。

したがって「治療費」名目での金銭の要求は嘘或いは詐欺に近いものであると判断できます。

おそらくもう払ってしまった人もいるかもしれませんが、新型コロナウイルスの確定診断および治療は無料ですから、騙されないように気を付けてください。

 

「親の感染メール」以外にも「隔離されて村の提供する食事しかできない。おかしくなりそう。お金を渡せばおいしい料理が届くからお金を送って」とか、「知人が感染したせいで隔離されてる。お金を渡せば上海に行ってあなたに会えるから5万元送って」等、新型コロナを利用した請求メールが多数出回っております。

これら新型コロナを利用した金銭の要求メールの内容は全て嘘です。隔離されていてもほしい食材を村委会や居委会に連絡すればその通りの食材が届きます。またお金で隔離が解除されることは無く、お金で上海に入れることはありません。自家用車のトランクに隠れて上海に入ろうとした女性が逮捕されたことはニュースにもなっていますし、交通警察も市境の検問所ではトランクもトラックの荷室も全てチェックしています。

 

ただご自身で拒否をすると逆ギレや脅迫に発展してしまう場合もあります。このよなメールを受け取ってしまった方は、上司や本社等に報告するなりして会社として対処するか、STCCや知り合いに専門家がいれば、そのような方にご相談することをお勧めします。

 

 

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