●情報
犬を飼っている方は多いと思います。
以前お話しした犬の誘拐「古北地区で犬の誘拐事件が多発しています」も注意しなければいけないのですが、昨今注意しなければいけないのが、当たり屋ならぬ噛まれ屋で、噛まれ屋が非常に多く発生しております。
今回被害に報告があったのは噛まれ屋。
当たり屋はご存じの通り、走行中の車に故意にぶつかって金銭を要求する犯罪です。
一方、噛まれ屋は散歩中の犬に故意にぶつかって「噛まれた」と騒ぎ、金銭を要求する犯罪です。
おそらく当たり屋をやっていた犯罪者たちが考えたと思うのですが、ドライブレコーダーの普及により、当たり屋ができなくなり、噛まれ屋に転職していったものと思われます。
手口としては散歩中の犬に故意に突進し、噛まれたと騒いで治療費や賠償金を請求します。
一見バカげている犯罪ですが、実はここにはお金を出してしまう飼い主の心理があります。
ご存じの通り、中国で犬を飼う場合は狂犬病の注射をして、公安に登録しなければいけません。
つまり犬は公安の管理下にあります。
そして中国ならではなのですが、犬が本当に人に噛んだ場合、噛まれた人が通報したら、犬は殺処分される場合が多いのです。
特に大型犬の場合は一発で没収され殺処分されます。
たとえ公安に登録していても、こういう処分になる場合が多く、飼い主は通報されたくないという心理が働くのです。また噛まれ屋も要求する金額が500元から1500元と小さく、お金を渡してしまう場合が多いとのことです。
実際の事件を挙げますと、ゴールデンを散歩している最中、ふと目を離した隙に突然「噛まれた」と大騒ぎされた。確かに足には犬の毛がついており、慌てた飼い主は言われるがままに500元を渡してしまった。しかし、普段からおとなしく人を噛んだことが無いこともあり、後になって派出所に相談。警官が街の監視カメラでチェックすると、男性が犬に突進してぶつかり、驚いた犬が引く場面が映されていた。
その後、警察の捜査で犯人を逮捕し余罪を調べると、噛まれ屋を半年で15万元稼いでいたことが分かったという。
これはほんの一例であり、実際は先に述べた中国のルールと飼い主の心理もあり、表に現れていない噛まれ屋が多数いると思われます。
確かに要求される金額が少ないこともあり、払ってしまいがちですが、噛まれ屋は当たり屋どうよう集団になっている場合があります。一度お金を払ってしまうとその情報がグループ内に拡散され、その後、色々な噛まれ屋に狙われてしまいます。
散歩中にこのような事に遭遇した場合、相手の傷や服をチェックし、疑いがある場合は110番通報し、警察に確認してもらうようにしましょう。
本当に噛んだかわからない場合でも「警察に連絡する」と言ってみて、相手の挙動を確認してみましょう。噛まれ屋であれば「警察に通報したら犬は没収だぞ」等、逆に脅して来るでしょう。
警察に通報させないような行動や言動があった場合は、迷わず110番通報するようにしてください。
年末、春節前はお金にまつわる犯罪が最も多い時期です。
犬のみならず、隙あればお金を盗ろうと狙ってくる人が多くいます。
普段から犯罪者に狙われているかもと言う意識を持つことが、自己防衛につながります。
十分注意してください。